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年納めの地附山 733mは孫と(長野県)

2023年 12月30日(土)


今年も残り二日になった。大晦日は雨の予報、神奈川からやってきた孫は昨年の大晦日と、今年の元旦と二日続けて地附山巡りをしたのが楽しかったらしく、今年も山へ行こうと言う。が、雨の中を歩くのはごめんだろう。今日が今年最後の晴れ間かもしれない、行ってみようかと、ちょっと遅めの出発だ。

photo:登り坂を行く:地附山
雪がないね

photo:スカイツリーの看板:地附山
スカイツリーのてっぺんと同じ

森の中を歩き始めると「雪がない」と叫ぶ。昨年の暮れに登ったときは凍っている道を滑りながら歩いたが、普段雪のないところで暮らしているからとても楽しかったようだ。

photo:一面落ち葉:地附山
一面落ち葉の世界

photo:ベンチで:地附山
ポカポカ暖かい

雪はないが、落ち葉が一面に積もって斜面まで茶色に染まっている景色は気持ちよかったようで、足取り軽く元気に登っていく。途中、スカイツリーの高さと同じ標高のところを通る。長野の家、神奈川の自宅などが標高どのくらいかと首を傾げながら数えている。三浦半島の最高峰(大楠山241m)より、長野の家の方が高いところにあるのは知らなかったと楽しそうだ。

photo:雪が柔らかい:地附山
雪が柔らかい

photo:志賀方面の山々:地附山から
志賀方面

日光がささない斜面にはわずかに白いものが張り付いている。そして、登るにつれ、その白い部分の面積が広くなってくる。パワーポイントに上がると、広く雪が残っている。孫は嬉しそうに雪を手に取っている。

日が当たるとポカポカ暖かい。気温の上昇によるモヤか、善光寺平の上には白いヴェールが漂っている。ヴェールの向こうに見える山を指差して「あれは?」と興味深そうだ。志賀高原の山々が真正面に見えている。街は白く霞んでいるが、山の上は青い空が清々しく広がっている。

photo:山頂から:地附山
飯縄山、黒姫山、妙高山

photo:山頂にて:地附山
山頂の雪少ないね

パワーポイントで一息ついた後は一気に山頂へ。登るにつれ雪が増えてくるので、孫は大喜び。山頂の日陰の雪はまだ凍りついて硬い。しかし、空気が澄んでいるからか、飯縄山、黒姫山、妙高山が白くなった姿を見せている。以前一緒に滑った飯綱高原スキー場が見えているが、ゲレンデには茶色い色も見えて雪の少なさを物語っている。

一番遠くに一段と白く見える妙高山は魅力的に見えるらしく、孫は「あそこに登りたい」と言う。「登れるの?」と聞くから、もちろん登れるけれど、急な道を頑張らないと山頂には行けないよと話す。あまり山道を歩いた経験がない孫は「急な道」の実態を知りいらしく、斜面を指差しては「このくらい急?」と聞く。私たちが「もっと急だよ」とか「もっと凸凹しているよ」などと言うたびに、四つ這いになって登ろうとして見せる。私たちが登った時(※1)からはずいぶん時が経っている。どの山も最近の情報を見ると道が荒れたり、変わったりしている様子だ。妙高山も登ってからかなり経って登山口まで行ってみた時には木道がたくさん増えていた。(※2)今ではもっと増えたかもしれないと話す。

photo:山頂で休憩:地附山
山頂で休憩

photo:足形と手形:地附山
雪で遊ぶ

遠くの山を見たり、積もった雪に手形をつけたり、楽しみはたくさんある様子。風がないので、木のベンチに座ってお煎餅を齧る。登り始めてすぐジャンバーは脱いでしまったが、若者は寒くないらしい。お腹が空いたと、バリバリ煎餅を食べ、ごくごくと水を飲む。見ているだけで元気をもらえそうだ。

煎餅を食べると、山頂のあちこちを見て回る。雪が綺麗に残っているところを見つけて手形を押す。その脇に靴型もつけて嬉しそうだ。子供はどんなことでも遊びに変えてしまうのが素晴らしい。

photo:大きいホオノキの枯れ葉を持つ:地附山
ホオノキの枯れ葉大きい!

photo:オオバギボウシの実:地附山
オオバギボウシの実

しばらく遊んだので、降ろうか。動物の足跡が見たいと言うので、バードライン旧道を少し歩いてみる。ホオノキの葉がたくさん落ちている。「こんなに大きい葉はなんだかちょっと怖いんだよね」と言いながらそっと持つ。見上げて「どの木から落ちたの?」と言うが、空に広がる梢はどの木も枝ばかり。葉が残っているのはない。木々に近づいて木肌や冬芽を探す。「あった、これだよ」。ホオノキは意外と細い木だから、驚いている。「冬芽は大きいでしょう」と言うと「フユメって何?」。色々なものに好奇心が湧く。一つ一つの知らなかったことに目を凝らす姿を見ていると、大きな自然の中で自由に動くことの素晴らしさを感じさせてくれる。

photo:トゲいっぱいタラノキかな:地附山
トゲいっぱいタラノキかな

タラノキらしい棘がいっぱいの木を見つけると、「痛い?」と言いながら触ってみる。ネズミサシの葉にも触ってみる。そっと、恐る恐る。

photo:過去の雪景色:地附山
過去の雪景色 2019.2.23

photo:ノウサギの足跡:地附山
ノウサギ、歩いている 2023.12.25

photo:すじ雲:地附山
面白い雲


動物の足跡はかなり溶けたものしか残っていなかったので、残念そうだったが、数日前に私たちが登った時の写真を見て、昨年のことを思い出したようだ。ノウサギ、シカ、イノシシなどの足跡を見分けられるようになっていた。薄れるように残っていた足跡を見つけて「あ、ウサギじゃない?」と指差して嬉しそう。

少しずつ筆を流すように増えてきた雲を見上げながら家に向かった。

(※山歩き・花の旅 47 妙高笹ヶ峰高原




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