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軽井沢から碓氷峠(旧)1200m (群馬県、長野県)

2025年9月30日(火)


もう9月も終わろうという頃に「夏休みになった」と孫がやってきた。直前に行ってきた札幌土産を持って、久しぶりの長野だ。

photo1赤バスに乗る
赤バスに乗る

新米バレエダンサーとして忙しい日々を送る生活だから、じぃばぁのところではゆっくり過ごさせてやろう。やってくると早速、我が家の小さなお蔵から好きなビデオを出してバレエ鑑賞だ。そんな姿を見ると真からバレエが好きなんだと感じる。休みの時くらい離れていたいと思う人もいるだろうが、彼女はいつも我が家でのバレエビデオ鑑賞を楽しみにしている。

photo2矢ヶ崎公園にて
矢ヶ崎公園にて

一日ぽっかり空いた日に「どこか行きたいところはある?」と聞くと、「別にないけど・・・軽井沢は近いの?」とボソッ。「アウトレットに行ってみたいの?」と聞くと、「ちょっとね」との答え。

長野からは新幹線で片道30分、1日の活動範囲に入るだろう。知人たちが時々行ってきたという話を聞く。

photo3矢ヶ崎公園の水蓮と野菊
矢ヶ崎公園の水蓮と野菊

photo4トリカブト
トリカブトの紫がきれい

ネット検索で調べていたら、赤バスというのがあるそうだ。軽井沢には何度も行っているが、いつも同じところ(離山方面)を歩いているので、知識が偏っている。赤バスに乗ると、中山道の碓氷峠まで行くらしい。息子が「峠の力餅を食べてみたい」と呟いていたことを思い出した。軽井沢から赤バスに乗って碓氷峠に登り、見晴らしを楽しんでからアウトレットを回って帰ってこよう。「父ちゃんが食べたいと言っていた力餅の写真をお土産にしよう」と冗談を言いながら、新幹線に乗った。

photo6大きなカイメンタケ
大きなカイメンタケ

中山道の碓氷峠は難所で知られたところ、現在は旧碓氷峠と呼ばれている。群馬県と長野県の県境になるが、この県境に立っているのが熊野皇大(くまのこうたい)神社で、ヤマトタケルが建立したと伝わるそうだ。

雪の残る鼻曲山に登ったあと、ここで力餅を食べたことを懐かしく思い出した。ホテルハーヴェストの前から真っ赤な赤バスに乗る。運転士さんが途中の観光スポットの解説をしながら、バスは旧軽井沢の商店街を抜けて峠に登っていく。約30分で神社の下に到着。

photo6力餅の茶屋はみんな本日休業!
力餅の茶屋はみんな本日休業!

まずは神社に参拝しよう。石畳に刻まれた二つの県の名前を越えて鳥居をくぐると急な階段だ。境内からは視界が開ける所があるが、霞んでいて遠くが見えない。これでは見晴台に行っても同じかなぁと話しながら、お参りを済ませ、峠の茶屋が並ぶ道に降りる。だが、数軒あるお店はみんな閉まっている。力餅はやっぱり父ちゃんと来ないとダメだったかなと、冗談を言いながら、峠から見晴台に向かう。

photo7まだ咲いていたアズマレイジンソウ
まだ咲いていたアズマレイジンソウ

駐車場を通り抜けると見晴台への散策路の入り口らしい門がある。門を潜って庭園に入っていくような雰囲気の森の道を少し歩くと目の前が開ける。

photo8門を潜って見晴台へ
門を潜って見晴台へ

photo9群馬と長野の県境を歩く
群馬と長野の県境を歩く

「長野県、群馬県」の二つの県名が大きく書いてある。ここが県境ラインらしい。

来る途中浅間山は雲に隠れて見えなかったから、他の山も期待できないかと思っていたが、目の前に妙義山のギザギザした山容が広がっている。その広々とした雄大な景色に孫も喜んでいる。

photo:妙義山方面
見晴台から妙義山方面を見る・Click=拡大

しばらく森の空気を楽しんで、さて帰ろうかと言うと、「歩いて行くとどのくらいかかるの?」と孫。調べたら、40分ほどらしい。次のバスの発車時間も45分後になるから、歩いて行こうか。決定は早い。

photo11碓氷峠(旧)の気持ち良い空間
碓氷峠(旧)の気持ち良い空間

登山用の支度はしていないので、バスが登ってきた道を歩く。若く、体力勝負の仕事をしている孫はサクサクと歩いていく。山歩きに慣れているはずのこっちの方が喘いでいる。

photo12カニコウモリ
カニコウモリの花は終わりそう

photo13アサマヒゴタイ
アサマヒゴタイ

道の脇に咲く花を眺め、キノコを発見して指差し、時には落ちてくる木の葉に驚き、車道歩きも、たまに孫と一緒ならなかなか楽しいものだ。途中登っていく赤バスとすれ違い、「あれが戻ってくるんだね、あれより早く着けるかなぁ」と言いながら見送る。

photo14峠道には野の花やキノコがいっぱい
峠道には野の花やキノコがいっぱい

photo15にてばし
旅人が別れを惜しんだ「にてばし」

思ったより急な舗装道をぐんぐん降っていくと、小さな川にぶつかった。ここは矢ヶ崎川。傾いた石の古びた橋には「にてばし」と刻んである。中山道を旅する人々がここで別れを惜しんだと言われる「二手橋」。

橋を渡れば旧軽井沢の賑わいはすぐ。ゆっくり歩きながら賑わいの中に浸っていると、赤バスが降りてきた。「私たちの方が早かったね」と顔を見合わせてにやり。

photo16夏休みの1日を楽しむ
夏休みの1日を楽しむ

旧軽井沢の人混みの中をしばらく歩いてお昼を食べてから、駅を越えて今度はアウトレットの人混みの中へ入っていく。とても広い空間なのに、どこを歩いても人が多いことに驚く。孫はその空間も楽しむようで、地図を見ながらいくつかのお店をのぞき、遅い夏休みの1日を楽しんでいた。




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