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297 キノコと粘菌 大峰山 828m、地附山 733m(長野県)

2022年7月28日(木)、8月1日(月)


梅雨は空(から)だったのに、猛暑になってから毎日夜の雨が続く。裏山にもキノコが増えただろうか。7月末、大峰山から地附山への山中には前夜の豪雨に耐えきれないように倒れたキノコがたくさんあった。森の中には粘菌も活発に動き始めたようで、私たちはゆっくり山道を巡った。この季節には目立つ花は少ないが、見えないところで大地は動いているという感じがする。

photo:キノコ:大峰山・地附山
雨が降って元気なキノコ

photo:物見岩で着替え一回め:大峰山・地附山
物見岩で着替え一回め

しかし暑い。物見岩に到着した時には汗が流れてくるようだった。汗っかきの夫でなくてもシャツがびっしょりになってしまう。夫は早速一回目の着替え。刺すような日差しを避けて塩煎餅を食べながら、近くの岩の上にシャツを干す。休んでいるうちにかなり乾いてしまうほどの強い陽だ。

さて、登ろうか。深い森の中に入っていくと、あるある、キノコがボコボコという感じで落ち葉を持ち上げている。中に大きな塊のようなキノコがある。白っぽい皮に覆われている無骨な形のキノコはオニフスベかな。ちょっと歪(いびつ)になっているけれど、頭蓋骨みたいな形。

photo:オニフスベ?:大峰山・地附山
大きなキノコもゴロゴロ

photo:粘菌が活発になった:大峰山・地附山
粘菌が活発になった

キノコの大競演に大喜びしながら登っていく。春に葉の先から芽を出したショウジョウバカマが独り立ちしている。完全に親の葉と別れて生き生きしているのを見て嬉しくなる。

photo:ショウジョウバカマ新芽:大峰山
ショウジョウバカマ新芽 左上親株

photo:大峰山山頂にて
大峰山山頂にて、速乾

頑張って山頂まで登りつくと、すでに2枚目のシャツがびしょ濡れ。四阿で休憩している間に干しておこう。帽子もハンカチもリュックの肩紐も・・・みんな干しちゃえ、誰もいないから。四阿脇の駐車場のアスファルトはカンカンに熱せられているから、どんどん乾く。

私たちは日陰の風にあたりながらしばらくのんびり過ごす。

photo:地附山山頂にキキョウが咲き出した
山頂にキキョウが咲き出した

大峰山でのんびり過ごした後は地附山へ向かう。ママコナの赤い色が増えてきた。そしてキノコがやっぱり多い。雨に打たれて倒れている大きなキノコをたくさん見ながら山頂に到着すると、キキョウが薄紫の花を開いている。すっくと立って大きく開いた花を掲げている姿は美人画みたいだ。

photo:倒木を撮影中:地附山
粘菌を撮影中

あまりにも暑いせいか、朝方まで雨の気配が残ったせいか、人が少ない。私たちは気ままにウロウロしている。森の中にはきのこだけでなく粘菌も豊かだから、倒木と見れば寄って行ってじーっと裏側まで眺めている。

皮が剥がれている下には菌根らしい糸状のものが張り巡らされていて、普段見ることができない逞しい姿が見える。

photo:菌根らしい糸状のもの:地附山
倒木や枯葉の上では活発な動きが

「雨ばかりで、花も少ないけれど、自然は動いているって感じられるね」。

そうそう、思い込みで安心していると新しいことが目の前に現れてびっくりすることがある。ヒメジョオンはあまりにもどこにでも咲いていて、「じっくり見れば可愛いよ」と言いながら横目で通り過ぎていた。それにしても姿が違うものがあるなぁなどと思っていたのだが、どうやら種類が違うものがあるようだ。下の方の葉にも粗い鋸歯がなく、細くすっきりしているのを時々見かけたが、ホソバヒメジョオンというものかもしれない。ヘラバヒメジョオンというのもあるというから、また宿題が増えた。

photo:ホソバヒメジョオンか:地附山
ホソバヒメジョオンか

photo:小さい花が咲いてるよ:地附山
小さい花が咲いてるよ


8月になって、一段と厚さが厳しくなった中、キノコたちはどうなったかと地附山を一回りしてみた。登山道脇にも大きなキノコがニョキニョキ出ているが、もう育ち過ぎているものばかりだ。一回りして公園に向かうところでキノコアドヴァイザーの男性に会った。以前『花恋会(かれんかい)』の観察会で話したことがある。(※)

photo:大きなキノコ:地附山
大きなキノコ 2022.8.1

撮ってきた写真のキノコを見てもらって話を聞く。ほとんどは食べられないキノコだ。真っ赤なイグチの仲間は試しに食べてみたらものすごく苦かったと笑う。とても食べられないそうだ。

photo:ガンタケかテングタケか:地附山
ガンタケかテングタケか

地附山でよく見かけるガンタケかテングタケか見分けがつかないキノコも彼には見分けられる。当たり前か・・・テングタケはおいしいそうだ(注:有毒キノコです)。

photo:ヒガシニホンヨカゲ:地附山
小さな生き物の世界 2022.8.1

キノコに詳しいのはもちろんだけれど、昆虫なども好きなのだと話しながら動くものがいるととんで行ってじっと見ている。私が撮ってきた尻尾の青いトカゲの話をするとヒガシニホントカゲというのだと教えてくれた。ニホントカゲも西日本と東日本で2種類に分かれるそうだ。

photo:ゲンノショウコ:地附山
ゲンノショウコ

photo:マツムシソウ:地附山
マツムシソウ

photo:オオチドメ:地附山
オオチドメ

photo:キンミズヒキ:地附山
キンミズヒキ

花の動き 2022.8.1

公園までよもやま話をしながら降りてきた。久しぶりに真っ青な空が広がる。眩しいけれど爽やかな空はわずかに秋の香りがする。

photo:青空に立つ雲:地附山
青空に立つ雲 2022.8.1




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