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284 今年も咲いたかな 地附山 733m、大峰山 828m(長野県)

2022年6月23日(木)参考日 6月3㈮、9㈭、16㈭、19㈰、22㈬


23日木曜日の朝7時半過ぎ、私たちは物見岩に向かって登っていた。

photo:物見岩からの展望:地附山
物見岩からの展望 2022.6.23

前日は『花恋会』の観察会会場が地附山とのことで、一緒に歩く予定だった。だが、夫が体調不良で行けなかったので、今日は昨日見た花々の復習だ。夫は急に暑くなった中での庭仕事、水分不足になったようで、涼しくして休んでいたら元気になった。

『花恋会』は、花が好きな人たちが定期的に観察会をしているという集まり。22日は地附山での観察会、私は午前中用があったので後半だけ参加。イケさんも特別参加で頼もしい。樹木に詳しいイケさんに今年満開になったシデザクラ(ザイフリボク)の写真を見せてもらって、ますます来春への期待がふくらむ。

photo:ウメガサソウ:地附山
やっと開いた 2022.6.23

6月の裏山歩きは、花を求めていろいろなコースをいく。歌ヶ丘から大峰山経由で地附山へ、物見岩から大峰山往復してから地附山へと、大峰山と地附山を一緒に登ることが多い。今日は物見岩から上がって、地附山のモウセンゴケを見よう。その後は昨日と同じコースで公園まで行くことにする。

地附山公園管理の西澤さんが『花恋会』のまとめ役のような方で、「参加しませんか」と声をかけてくれた。打ち合わせをしたり、渉外役をしたり、仕事もある中大変だと思うけれど、いつも笑顔なのが素敵だ。

photo:カナビキソウの花と実:地附山
カナビキソウ実 2022.6.23

photo:シデザクラ:地附山
シデザクラ来春こそ
2022.6.22

花に詳しい人たちなので、直径2mmくらいの小さな花の名前を教えてもらった。カナビキソウと言う。三浦半島の草々のことを詳しく書いた図鑑は私の愛読書だが、そこには載っていない。他の図鑑でも探したのだが、見つけられなかった。なかなか分からなかったはずで、この花はビャクダン科の植物。主にイネ科の根に半寄生して生きるのだそうだ。どこにでも咲くというが、移植ができないのは半寄生植物だから。誰かの力を借りて生きる植物には、なぜかワクワクさせられる。

photo:ウメガサソウ:地附山
逆光で残念オオルリ
2022.6.3

この日はモウセンゴケやツルアリドオシなどの花を楽しんだが、山頂の石が地附山の山頂が以前は河原だったと教えてくれるというような面白い話も聞くことができた。


観察会には参加できなかった夫だが、19日には「下見だ〜」と冗談を言いながら地附山、大峰山を歩いてきた。

その日、私たちが公園下に着いたのはまだ開園の8時半前だった。家を出た時は駒弓神社から登るか、公園から登るか決めていなかったけれど、ウメガサソウを探しながら登ろうと公園に向かった。

photo:ウメガサソウ:地附山

photo:ウメガサソウ:地附山

photo:ウメガサソウ:地附山

photo:ウメガサソウ:地附山

ウメガサソウ  2022.6.23

草刈り作業をするために集まっていた地附山愛護会の会長さんが「ウメガサソウが減ってきてしまったんです」と寂しそうだった。イケさんとも久しぶりに会えて、作業前なのに花の情報を教えてもらった。皆さん早くから集まっての作業だ、感謝。

photo:地附山山頂で
昨日は賑やかだったけど
2022.6.23

駒弓神社からの登山道を歩くことが多いので、公園から上がるのは久しぶりだ。ウメガサソウが一輪大きく咲いているのを見たのは16日、一人で登ったので、写真を撮って夫に見せた。そのあと二人で登ってその花を一緒に見るのが楽しみの一つ。今日はシャクジョウソウも大きくなっただろうし、ウメガサソウもいくつか咲き始めているだろうと話しながら歩いた。

photo:JR車両センターにも変化(115系.185系,E217系)がある:地附山から
JR車両センターにも変化がある

photo:ウメガサソウ:地附山
エゴノキ 2022.6.3

ところが、公園からの道にはウメガサソウの大きな株は見られない。寂しそうな小さな蕾が俯いている。鹿に食べられたり、気候が暖かくなったり、いろいろな原因が考えられると聞いているが、積み重なった落ち葉を少しどかしてあげるというのはどうだろう。腐葉土にするために袋に入れて持って帰ろうか・・・と話して、片手に持てる程度の落ち葉をどかしたところでどれほどの効果になり得るかと、思わず顔を見合わせて笑う。必ず効果があるとわかれば、登るたびに持ち帰ってもいいのだけれど・・・どうなのか。

photo:ヒメハギ:地附山
ヒメハギまだ咲いていた 2022.6.3

photo:ウメガサソウ:地附山
この花はどこへ 2022.6.16

そんなことを思いながら道を折れて、シャクジョウソウの群生しているところに向かう。クモキリソウも花をつけていて嬉しくなる。 シャクジョウソウの花を撮影、先日咲いていたウメガサソウは?

photo:シャクジョウソウ:地附山

photo:シャクジョウソウ:地附山

photo:シャクジョウソウ:地附山

photo:シャクジョウソウ:地附山

シャクジョウソウ  2022.6.19

photo:クモキリソウ:地附山
クモキリソウ  2022.6.19

この辺り・・・と探してみるが、ない。勘違いか、とさらに捜索範囲を広げるが、やはりない。先日撮った写真の順序を見ながら、やはりこことあそこの間に咲いていた・・・のに、やっぱりない。

夫が、ここちょっと土が窪んでいるみたいと指差す。掘られちゃったのかな。 がっかりだ。


photo:ナツハゼ:地附山
ナツハゼ  2022.6.9

photo:満開のネジキ:地附山
ネジキ満開  2022.6.9

さて、話を23日に戻そう。空は曇って、気温も低いが街はクリアに見下ろせる。物見岩から見下ろす裾花川の白い崖は岩のくぼみまでくっきり見える。今年もハヤブサは子育てを終えたかな。6月前半に満開だったネジキやナツハゼはもう実が膨らみ始めている。葉の影に隠れてミヤマウグイスカグラの実も真っ赤に熟している。代わりにソヨゴの小さな花が揺れている。

photo:ヤマキマダラヒカゲ:地附山
チョウには好かれる? 2022.6.9

photo:ソヨゴ:地附山
ソヨゴ 2022.6.23

先日ここでネジキの写真を撮っていた夫の手にヤマキマダラヒカゲが止まって離れず、大峰山との分岐あたりまでついてきた。笑いながら「バイバイ」と払って、ようやく飛んで行った。

photo:イチヤクソウ:地附山
イチヤクソウ 2022.6.23

森の中にはイチヤクソウがたくさん花開いている。登山道脇にもあるが、そちらはまだ蕾が硬い。ヤマウルシの木を避けながら近寄って写真を撮ってくる。

大峰山と地附山分岐の鞍部は広い。大きなヤマナシの木がある。その下に名前のわからない低木があり、ここを通るたびに写真を撮っている。枝の先に房のようにぶら下がっていた蕾が、この日開いていた。早速写真を撮る。家に帰って図鑑を見よう。イケさんに会ったら写真を見せて尋ねよう。

photo:この花の名前は?:地附山、大峰山分岐点
この花の名前は? 2022.6.23

19日に登った時にはまだ開いている花が少なかったツルアリドオシの花が満開だ。純白の星が森の中に散らばっているようだ。そんなことを話しながら歩いていたら、本当に星形の花がある。花の先は4裂するのだけれど、5裂している星形のものが意外と多く見つかった。ツルアリドオシは筒型の2個の花が下の方で合着しているから、果実も赤い実に2個のポチポチが残り合着したことがわかる。2種類の花があって、私は雌花雄花と呼んでいたが、長花柱花、短花柱花と呼ぶらしい。

photo:ツルアリドオシ短花柱花:地附山

photo:ツルアリドオシ長花柱花:地附山

photo:ツルアリドオシ実:地附山

photo:ツルアリドオシ5弁花:地附山

ツルアリドオシ色々  2022.6.23

さて、モウセンゴケ群生地には小さな小さな白い花が散らばっている。ここも花盛りだ。モウセンゴケは5個くらいの蕾を伸ばしているが、下から順番に開いていく。丸まっている蕾がゆっくり起き上がっていく様子は開く花に太陽が光をそそげるように順番に頭をもたげているようだ。

photo:モウセンゴケ:地附山

photo:モウセンゴケ:地附山

photo:モウセンゴケ:地附山

photo:モウセンゴケ:地附山

モウセンゴケ  2022.6.23

近くにはヤマトキソウも満開。ヤマトキソウは開いたのか、まだこれからなのか分からないほどの密やかな開き方で咲いている。苞も葉のような緑色なので、草の中にあると目立たないがなぜか惹かれる花だ。

photo:ヤマトキソウ:地附山
ヤマトキソウ 2022.6.23

photo:エゾハルゼミ:地附山、大峰山
エゾハルゼミの声もあと少し

photo:山頂の定点撮影:地附山、大峰山
山頂の定点撮影、ハイチーズ?

最後に「来年こそはシデザクラを見ようね」と言いながら木の下を通ったら、ボールペンが落ちていた。まるで今置きましたというように、そこにある。これはもしかしたら昨日の『花恋会』の人の落とし物かもしれないね。みんな熱心にメモを取っていたから。

ボールペンを拾って公園に着くと今日は西澤さんが勤務の日だった。ボールペンを託し、私たちは家に向かった。そろそろお昼だ。




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