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姫川源流 745mと親海(およみ)湿原 745m(長野県)

2024年 4月10日(水)


爽やかな青空、朝はピリッと空気が冷たかったけれど、雲一つない青空だ。こんな日は山へ行こうと夫がおにぎりを握っている。私は久しぶりに大物を洗濯する。

photo:車中から五竜岳
車中から五竜岳

photo:白馬三山
白馬三山

8時半、車で出発。南の方の里山に花を見に行こうと話して出かけた。犀川を渡る橋の上からアルプスが真っ白に輝いているのが見える。「わぁ〜、今日はよく見える」、思わず歓声が上がる。「アルプスを見に行こうか」と夫。

行き先を変更して、国道19号線から白馬方面に向かう。小田切ダムを越え、白馬長野有料道路の日高トンネルを抜けると目の前に大きく真っ白な壁が連なっている。雄大な眺めだ。

目的地は姫川源流。今年は自然の中に咲く福寿草を見ていない。姫川の群生はそろそろではないだろうか。

photo:アルプスに見惚れる
アルプスに見惚れる

photo:激しく流れる支流:姫川源流
激しく流れる支流

白馬に近づくとサンサンパーク白馬の駐車場で一休み、見事な北アルプスをじっくり眺める。唐松岳から大きく真っ白な尾根が伸びている。カメラのレンズを望遠にして覗くと、雄大な八方尾根のリフトが見える。

しばらくアルプスの展望を楽しんでから姫川源流に向かう。車を止めて歩き出すと、支流には雪が被さり、激しい流れでうずまいている。急流だからか、音も大きい。川の淵を下り、姫川源流に向かっていくと、まだ一面に雪が残っている。ここは福寿草の群生地だが、まだ早かったか。森との境を見ると雪が溶けて、黄色い花がたくさん散らばっている。雪が溶けたところから福寿草が咲き出しているのだ。日の光を受けるとキラキラ光るような、独特の艶がある福寿草の花びらが一斉に空に向かってアンテナを広げているようだ。

photo:雪が溶けたところから咲き始める福寿草:姫川源流
雪が溶けたところから咲き始める

photo:雪が溶けたところから福寿草:姫川源流
雪が溶けたところから福寿草

雪の厚いところまで、そっと踏み込んで近づき、芽をつぶさないように写真を撮ってきた。まだ雪が溶けたばかりのところは白い芽が立ち上がっている。その中から花が開き、緑の葉が展開してくるのだろう。

photo:アルプスに見惚れる
日光を受けて光る福寿草

photo:福寿草:姫川源流

photo:福寿草:姫川源流

photo:福寿草:姫川源流

photo:福寿草:姫川源流

咲き出した福寿草

雪の向こうに福寿草の花を眺めながら、姫川源流の湧水を見に行く。水はこんこんと流れ出し、この辺りには水草が緑に広がっている。向こうの崖の下にネコノメソウが見えるのだが、近づけない。カメラを望遠にして撮ってみたが、直射日光が反射してピントが合わない。それでも葯の色が濃い赤紫色で、萼より出ている様子が見える。ニッコウネコノメソウではないだろうか。

photo:ヘラシダに似ている:姫川源
付け根が膨らんでいる

その下の崖には大きなシダの葉が見える。一枚ずつ長い葉が何本か集まって出ている。ヘラシダというシダかと思ったが、付け根のところが広がっているから、違うようだ。名前はわからないが、大きくて存在感のあるシダだ。水辺には水芭蕉も咲き出している。

私たちは水辺をゆっくり回って、「姫川源流湧水」の石碑のところでベンチに座った。ミソサザイの声が響き渡っている。シジュウカラも遊んでいるように飛び交っている。とても気持ち良いところで、動きたくなくなってしまう。

時間は早いけれど、ここでおにぎりを食べようか。意見が一致。上空にはトビが舞っているけれど、「ここでおにぎりを食べても木の影になるから狙ってこないだろう」などと話しながらおにぎりタイムを楽しむ。

木道を辿っていくと、福寿草の間に白い可憐な花が見える。アズマイチゲかな。近づいていくとアズマイチゲも群生しているが、一部にはキクザキイチゲが顔を見せている。白と黄色の広がりが日の光を浴びて踊っているようだ。

photo:キクザキイチゲ:姫川源流
キクザキイチゲ

photo:アズマイチゲ:姫川源流
アズマイチゲ

photo:ニッコウネコノメか:姫川源流
ニッコウネコノメか

photo:ミズバショウ:姫川源流
ミズバショウ

春を知らせる花たち

さて、雪の上を歩いて奥へ行ってみよう。山道を少しだけ登っていくと親海(およみ)湿原への道に至る。深い針葉樹の森を緩やかに湿原に向かって降っていく。まだ茶色一色だ。湿原の淵に濃い紫のスミレが数輪咲いている。葉がアオイスミレに似ているが、花色が濃いから違うだろうか。調べてみたら、稀に濃い青のアオイスミレが咲くらしい。春一番に咲くスミレだ。フキノトウが綺麗な若緑色に花穂を伸ばしているが、他にはまだ花の姿は見えない。木道をゆっくり歩く。今日の真っ青な空の下、太陽を独り占め、いや二人占めしているようだ。だ〜れもいない。

photo:色が濃いアオイスミレ:親海湿原
色が濃いアオイスミレ

photo:山極は一面の雪:親海(およみ)湿原
冬の名残の親海湿原

photo:山極は一面の雪:親海(およみ)湿原
山極は一面の雪

奥まで行くと、まだ一面雪がかぶさっているので、引き返すことにした。湿原の入り口には看板が立っている。それによると武蔵野市の中学生が湿原を保全するために活動しているという。素敵な取り組みだと思う。ただできるなら、苦手意識を理解しない強制的な活動にならないようにと願う。好奇心を刺激して面白く取り組めているといいなぁ・・・などと思いながら山道を引き返した。

photo:まだ雪の親海湿原
まだ雪の親海湿原




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