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小丸山 492mから地附山 733mへ(長野県)

2024年 2月5日(月)


photo:大峰沢を覆いつくすマント植物:小丸山
大峰沢を覆いつくすマント植物

雲が多い日が続き、野暮用もあり、一週間も山に出かけていない。今日は大雪との予報が出ているが、雪は午後かららしいから、午前中にちょっと散歩してこよう。

小丸山まで行ってみようかと話しながら家を出る。小丸山に着くと、物見岩まで行けるかなと登る。そして、結局、地附山までゆっくり行ってくるということになった。

photo:オオイヌノフグリ,トウダイグサ:小丸山
霜の花が咲く

photo:竹の中をくぐって行く:小丸山
竹の中をくぐって行く

大峰沢の右岸に開かれた畑の脇を登っていく。沢にはツル植物の枯れたマントが覆い被さっている。オオイヌノフグリが花開いていたようだが、今朝の寒さで霜が立っている。

冬の今は霜や雪に覆われるのは当たり前だが、春になっても霜に覆われてしまうこともあって、花にとっては大変なことかもしれないが、散歩者には目を惹かれる美しさとなることも多い。

photo:小丸山からの展望:小丸山
小丸山からの展望

photo:どっちから行っても山頂へ:歌ヶ丘
どっちから行っても山頂へ

竹藪を越えて小丸山公園につく。妙法寺の周囲は切り払われて見通しが良くなっている。四阿も綺麗になって、善光寺平が見渡せる。今日の目的は小丸山だったのだが、まだ9時を回ったばかり。空も明るいので物見岩まで行けるねと頷く。

photo:急な斜面を横切って行く:歌ヶ丘
急な斜面を横切って行く

photo:松が大きくなった:物見岩
松が大きくなった

歌ヶ丘からのぼり勾配、大峰山への分岐を右に、物見岩方面へ進む。この辺りの松もずいぶん伐採されて、森が明るくなってしまった。急な斜面をトラバースするように道は進む。つる植物が多い。スイカズラの葉は丸くなっている。ヘクソカズラ、アオノツヅラフジ、そしてクズなどはわずかに枯れ葉を残している。斜面にへばりつくようにヤブコウジが広がって、赤い実が光っている。

急な斜面を横切って行くと物見岩下の分岐に着く。カケスの賑やかな声と、ケラの木を突く音が森を豊かにしている。

photo:ヤブラン:物見岩
ヤブラン
photo:ヤブコウジ:物見岩
ヤブコウジ
photo:オヤマボクチ:物見岩
オヤマボクチ
photo:ネジキ:物見岩
ネジキ
木の実 草の実

物見岩からの風景は何度も眺めているが、季節により、気候によりさまざまで飽きることはない。ネジキの木が満開になる時は白い傘に覆われるような素晴らしさだ。冬は青空の下にくっきりと善光寺平が浮かび上がることが多いのだが、今年はどんよりとした空模様の日が多い気がする。

photo:物見岩からの展望
物見岩からの展望
photo:物見岩でいっぱい遊んだ
物見岩でいっぱい遊んだ
photo:ちょっと雪が残っている:地附山
ちょっと雪が残っている

物見岩からの風景を楽しんでいるうちに、もう少し歩きたくなった。「ゆっくり地附山まで行ってみようか」と夫。空は一様に灰色だけれど、まだ湿っぽい感じにはなっていない。「傘もあるし、行ってこようか」と私。

大峰山への分岐から急坂を登るとスキー場跡に着く。この急斜面にはまだ雪が少し残っていた。陽がさす方向の違いか、木の影が濃いのか、場所によって雪が見えたり、見えなかったり。しかし今日の予報は大雪、登るうちに雲が厚くなってきた。「降るかもしれないね」「湿っぽくはないけれど、暗くなってきたね」などと話しながらスキー場跡に着く。飯縄山は灰色の雲の中。長居は無用と、山頂へ向かう。

山頂間近になったあたりで雪が落ちてきた。ついにきたか。残念ながら景色は見えない。みんな灰色のヴェールに覆われている。山頂表示柱は立派だから雪には覆われていない。私たちが登るようになってまだ10年だけれど、この山頂表示柱は新しくなった。どんどん雪が濃くなってくる中で、山頂に立っていると妙に10年の歳月が懐かしい気がする。

photo:懐かしい山頂表示柱:地附山
懐かしい山頂表示柱

だが、私の感傷をよそに雪は降り積もってくるようだ。山頂で記念撮影をして、急ぎ足でくだる。降り始めた雪はあっという間に道を白く染めていく。

photo:山頂表示が新しくなってから:地附山
山頂表示が新しくなってからも
photo:山頂表示が新しくなってから:地附山
どんどん降ってきた

今日は登り始めから誰にも会わない。こんな雪予報の日はみんな家で静かにしているのかな。

帰り道はカメラもしまって急ぎ足で歩いていたが、ふと雪を被った切り株にマメホコリがポツポツと見えた。春を待って固まっているのか、なんだか寒そうに見えた。「もう少し頑張って」と声をかけてから、私たちも振り込められないうちにと帰り道を急ぐ。

photo:雪の中のマメホコリ:地附山
雪の中のマメホコリ
photo:帰りは雪:地附山
帰りは雪

一気に降って、家に着いたのは11時すぎ。小丸山までの散歩のつもりが物見岩まで伸び、さらに地附山まで行ってきた。家に帰って濡れた鞄やコートを乾かしながら夫がぽつり、「地附山までのんびり散歩コースだね、また行こう」。




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