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歩き初めはやっぱり地附山 733m(長野県)

2024年 1月5日(金)、6日(土)


photo:駒弓神社にお参り:地附山
駒弓神社にお参り

正月早々、暗いニュースが続く。歳を重ねて自分の身を処することが精一杯の私たちにできることは祈るだけか。せめて日常を大切に、ゆっくりと時の底から世界を見上げていくしかないだろう。同じような気持ちの人は多いらしく、裏山を静かに歩く人が多い。

photo:金刀比羅宮お参り:地附山
金刀比羅宮お参り

息子一家が神奈川に帰った翌日は雨模様だった。洗濯もあまりできないが、それでも細々と家の中の片付けをして、晴れた金曜日、裏山に向かった。

正月初登山だから、駒弓神社にお参りしていこうと夫。山に入る人ばかりでなく、初詣に訪れる人もいるようだ。駒弓神社は『滑らない』そうで、受験生がお参りに来る。孫たちも霊験に預かってきた。

photo:雲海の上に笠岳、横手山:地附山から
雲海の上に笠岳、横手山

photo:雲海の上に笠岳、横手山:地附山から
菅平も雲の上

駒弓神社から金比羅様にも足をのばす。普段は近道をしていくのだが、今日は初参りをして行こう。お参りをしてパワーポイントへ向かう。冬の長野は乾燥しているからくっきりと眺めがよかったものだが、昨年末からモヤに覆われていることが増えた。善光寺平の向こうに志賀高原、菅平高原の山々が見えるのだが、街は白一色に覆われ、その上に山の稜線が浮かんでいる。幻想的で美しいとも言える景色だが、なんだか長野らしくない。稀に観られる風景というなら、それはそれで楽しみになるのだが、このところいつ来てもこんな感じだ。

photo:地附山山頂
地附山山頂に新年の挨拶

風景を眺めたあとは山頂へ。まずは山頂で新年のご挨拶。青空の下、飯縄山、黒姫山、妙高山が綺麗に見えている。飯縄山の中腹に見えるゲレンデの跡が痛々しい。長野で行われた冬季オリンピックの会場にもなったゲレンデなのに・・・雪が積もらなくなって久しい。

photo:冬のミヤマガマズミ:地附山
冬のミヤマガマズミ

ここ地附山山頂も、暮れに孫と登った時(※)には少し残っていた雪がほとんどなくなっている。気温が低いから霜が残っていて白く光っているけれど、雪はない。葉の上についた霜に目を近づけて見ると白い柱状の氷になっている。霜柱(しもばしら)は地面から立つ霜ばかりではないのだ。

photo:イヌツゲ:地附山
イヌツゲ

photo:サルマメ:地附山
サルマメ

photo:アカミゴケ:地附山
アカミゴケ

photo:シシガシラ:地附山
シシガシラ

霜が光る

山頂は寒いので、粘菌を観察しながら降ることにした。寒くなってから粘菌の活動がゆっくりになったらしく、何度見に来てもあまり変化が見られなかった。だが、しばらく見に来ていなかったので、そろそろ変化しているかもしれない。冬にはあまり見られないという粘菌を見つけたところも気になっている。

photo:ウメモドキの実:地附山
ウメモドキの実

ゴソゴソと藪の中を歩き回り、粘菌を見て歩く。やっぱり大きな変化はないようだ。花も見られなくなり、木の実も縮んでわずかにしがみついているようだ。キノコの姿も少ない。サルノコシカケの仲間やコウヤクタケの仲間のキノコは全体が大きかったり、群れていたりするから森を歩いていると目に入るけれど、細長い柄の上に傘を広げた姿はあまり見られない。

photo:黄色いキノコ:地附山
黄色いキノコ

photo:ヒイロタケ:地附山
ヒイロタケ

photo:ベージュ色キノコ:地附山
ベージュ色キノコ

photo:白いキノコ:地附山
白いキノコ

キノコさまざま

代わりに、というのも変だが、ゆっくり膨らんできた冬芽に目がいく。そして、一面茶色の世界に、ヒイラギやエゾユズリハ、ソヨゴなど緑濃い葉が光っていると目が惹きつけられる。冬の山にも楽しみがいっぱいありそうだ。

photo:ナカヨシケホコリなど:地附山
粘菌を観察する

以前見つけた小さな粘菌を写真にとってから家に向かった。

photo:雑木林:地附山
冬の雑木林は歩きやすい

photo:落ち葉の中にウメガサソウ:地附山
落ち葉の中にウメガサソウ


翌日、「もう一度行こう」と夫。昨日撮った粘菌の写真が思うように撮れていなかったようで、今日は三脚を持って行こうという。昨日の青空とは変わって雲が多い空模様だが、すぐ降ってはこないようだ。

photo:ムラサキシキブ:地附山
ムラサキシキブ

photo:マルバアオダモ:地附山
マルバアオダモ

photo:オオバクロモジ:地附山
オオバクロモジ

photo:ツクバネウツギ:地附山
ツクバネウツギ

ユニークな冬芽や萼 1.6

昨日と逆コースで、まずは粘菌の撮影をする。とても小さな粘菌、倒木の上1〜1.5cmくらいの間に点のように白く見えている。バイアカタホコリという粘菌らしいが、夏に多く見られるそうなので、確実とは言い難いと、我が家の粘菌博士がつぶやく。以前ここで見つけた時には気づかなかったが、今回じっくり見てみると、倒木の近くの落ち葉からもいくつか顔を出しているようだ。粘菌の本体は長さ1〜2㎜、肉眼ではなかなか判別できない。

photo:変形菌バイアカタホコリ:地附山
粘菌バイアカタホコリ 1.6

さてなんとか撮影したので、山頂へ向かおう。雲が多いので妙高山は霞んでいる。山頂稜線をぐるりと回ってモトクロス練習場の切り株に腰を下ろして休憩。ちょうど日が差してきた。木に囲まれているここは陽だまりになってポカポカと暖かい。お煎餅を齧りながら山上のひとときを楽しみ、後はゆっくりと帰ることにした。

photo:山頂にて:地附山
夕方のような日差し 1.6

photo:陽だまり:地附山
陽だまりでおやつタイム 1.6





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