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太平洋と雄大な富士山を見る越前岳 1504m(静岡県)

2005年 3月20日(日)2023.12記

インフォメーションのイメージ画像 使用した写真はフィルムカメラで撮ったプリント写真をスキャンしデジタルデータ化したものです。

photo:十里木展望台:越前岳
駐車場が見える十里木展望台

富士山の南にどっしりとした大きな山塊、愛鷹(あしたか)連峰があるのは知っていた。しかし、日帰りで行ってくるにはちょっと遠く、泊まりとなればもうちょっと北へ足を伸ばそうという志向の私たちにはなかなか足が向かわないところだった。

丹沢、箱根周辺の低山歩きをしていて、ふと遠くの山並みに目が惹かれ、行ってみようかということになったのは春の訪れも近い3月の後半だった。そろそろ雪も解けただろう。忙しい中1日だけの登山、どうせ行くなら愛鷹連峰の最高地点、越前岳に行ってこようと決めた。

地図:越前岳

photo:雪の斜面:越前岳
雪の斜面

朝、7時45分頃家を出た。東名高速道路を横浜町田から乗り、裾野インターで降りる。R469に入り、富士山と愛鷹山の間を走る。登山口のある十里木に着いたときは、2時間経っていた。駐車場には車がたくさん停まっていたので、山が賑わっているのだろうと言いながら、足元を整えて歩き始める。

photo:春の雪を踏んで登る:越前岳
春の雪を踏んで登る

目の前の大きな富士山が大迫力、なんだかすごいねと意味のない感嘆のセリフを交わす。大きな木の看板が立っている十里木高原は富士の展望台としても知られたところらしい。目の前にど〜んと聳える富士の迫力に圧倒されてしばらく無言で立ちつくす。誰もいない、素晴らしい展望台だ。たっぷり眺めてからいよいよ越前岳への登りにかかる。10時になろうとしていた。

photo:南アルプス:越前岳
木々の間から南アルプス

登り始めると斜面には雪がついている。南の太平洋岸にある山だから雪はあまりないかと思ってきたが、この様子だと、上にはかなり残っていそうだ。枯れ草の中の急登をしばらく行くと三角点(1098.9m)のある笹峰に到着。ここは馬ノ背展望台という富士山のビューポイントだ。大きく広がる富士の裾野の向こうに真っ白な南アルプス北部の白峰三山が見える。目の前に日本1高い富士山と2番目に高い北岳が並んでいるのだ。と言っても、北岳はかなり遠いので、残念ながら小さく見える。だが、さすがに高山、見える範囲は真っ白だ(2014年の測量で間の岳が奥穂高岳の標高と同じ3190mとなり、現在では間の岳が奥穂高岳と並び日本3番目の山となった)。

photo:太い木の間から富士山:越前岳
太い木の間から富士山

photo:笹峰(馬ノ背見晴台)から富士:越前岳
笹峰(馬ノ背見晴台)から富士

馬の背見晴台からもたっぷり展望を楽しみ、山頂目指して登る。雪が深くなってきたので軽アイゼンも装着する。

登山道は、灌木が密集する森の中を登っていく。ツツジなどの木が多いようだ。花の季節には彩り賑やかになるだろう。

photo:圧巻の富士山:越前岳
圧巻の富士山

photo:白峰三山(農鳥岳 間の岳 北岳):越前岳
白峰三山(農鳥岳 間の岳 北岳)

雪の中を歩いていたら、携帯電話の着信音が聞こえる。あれ?見ると娘の携帯電話のナンバーが表示されている。出ると2歳半の孫の声「ばぁ〜」まだ回らない口で「おめでと」と言う。そうか、今日は私の誕生日だった。

photo:孫からの電話:越前岳
孫からの電話で元気が出る

photo:梅の下で遊ぶ:越前岳
梅の下で遊ぶ

先日我が家に集まって、隣の梅林で遊んだ。遅い梅なのか、まだ花が多く香り高い梅の下で遊ぶ小さな子供たちを、夫が2階の窓から撮影していた。梅の花に伸ばす子供の手の小ささに感動したものだ。

photo:積雪:越前岳
積雪、深いところもあった

photo:富士山と北岳:越前岳
富士山と北岳が見えるよ

孫にありがとうを言って電話を切った時にはここまで登ってきた疲れが吹っ飛んでいた。我ながらげんきんなものだ。 雪を踏みながら、越前岳山頂に到着。麓の駐車場には車がたくさん停まっていたけれど、色々なコースに散ったのか、麓近くに散ったのか、人は少ない。雪はあるが、日差しはポカポカと気持ち良い。ここでお昼ご飯を食べよう。もう12時を回っている。

photo:太平洋が見える:越前岳
太平洋が見える

photo:越前岳山頂で:越前岳
越前岳山頂で

霞んでいるが、太平洋が見えているのも気持ち良い。富士山はもちろん、南アルプスも白い山頂稜線を見せている。最高の眺めをおかずにしてのお昼は美味しい。

photo:富士山:越前岳
宝石のような富士山山頂

photo:雪の中から帰って乾杯:越前岳
雪の中から帰って乾杯

美味しいお昼をいただいて、あとは降るだけ。登ってきた雪の道を滑らないように気をつけながらどんどん降っていく。茶色の冬の木が自由に枝を広げた向こうに、終始美しい富士が見えるという幸せな越前岳登山だった。

帰りの高速道路、もう少しで出口というところで事故渋滞に巻き込まれてしまったので、思ったより遅い帰宅になったが、7時頃には帰ることができ、二人で祝杯を楽しむには十分だった。




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