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孫も青いハチに会う 地附山 733m(長野県)

2023年 8月12日(日)20日(水)


息子一家がやってきて長野の暑さを体験した。長野といえば避暑地のイメージが強い。町の中でも日陰に入れば涼しい風が吹き、夜半から朝まではぐっと気温が下がるというのが今までの長野のイメージだ。ところが近年、そして今年はさらに、焼けるような暑さに包まれている。太平洋沿岸に住んでいる息子たちは、長野に来て「暑い!」と叫んだ。

photo:シュレーゲルアオガエル:地附山
シュレーゲルアオガエル 8.12

photo:カナブン:地附山
カナブンを持てたよ 8.12

今年はあまり長くいられなかった息子たちは一日高原に出かけたが、そこも直射日光を浴びて暑かった。翌日一人元気な末っ子は山へ行こうという夫の提案に飛びついた。「青いハチに会えるかもしれないよ」と言われて、前日の疲れも全く感じさせずに出発だ。

出かける準備をしていたら、イケさんから連絡があり、「今から山へ行く」と言うと、「上で待ってるよ」。

photo:まずは遊具で:地附山
まずは遊具で 8.12

公園の駐車場でイケさんと会い、一緒に旧道を歩きだす。道の真ん中に大きなシュレーゲルアオガエル、イケさんが触ったら、ピョンと大きく跳ねて、孫は大喜び。それにしても大きい、こんなに大きなシュレーゲルは初めて見る。

孫は公園の遊具に一通り触ってから登り始める。中学生になったが、アスレチックが好きな孫にとっては避けて通れないものなのだろう。

森の中に入ると少し暑さが和らぐ。雨量が少ないので、山はカラカラ「これではキノコが出ないよ」と、イケさんが嘆く。サルノコシカケやマンネンタケはあった。

photo:マンネンタケ:地附山
マンネンタケ 8.12

photo:マンネンタケ:地附山
マンネンタケ 8.12

photo:マンネンタケ:地附山
マンネンタケ 8.20

photo:マンネンタケ:地附山
マンネンタケ 8.20

マンネンタケ

まずは粘菌を探そう。オカトラノオが実をつけて、オオガンクビソウが地味な花をたくさん揺らす草の中を歩いて倒木の影をのぞき込む。今日はあまり見つからないぞ。こうカラカラに乾いていてはキノコも粘菌も出てこないかな、などと話しながら動物園跡からロープウェイ跡への道を行く。孫はどんどん行くが、倒木の影に粘菌を見つけたイケさんと私は撮影開始。いつまで経ってもやってこない私たちを見にきた夫と交代して、私は孫と二人でロープウェイ跡を見に行く。二人でスキー場跡に向かいながらユウスゲの実を見る。もう蕾の姿はなく、今年は終わりらしい。ところがスキー場跡に大きなユウスゲの蕾を発見。今にも開きそうだけれど・・・今日は開きそうにない。残念。来年も咲いてねと声をかけてから山頂へ向かう。

photo:粘菌:地附山
粘菌もいたよ 8.12

photo:ユウスゲの開花に会えなかった:地附山
ユウスゲの開花に会えなかった

photo:ここがロープウェイ跡で:地附山
ここがロープウェイ跡 8.12

山頂に行くと、先に到着していたイケさんと夫がカメラを構えている。青いハチが来たらしい。おやつを食べながら待っていると、孫のところにやってきて止まりそうになる。青い服を着ているからかなぁ。2度ほど間違えられていた。目の前のマツムシソウに2匹の青いハチが止まる光景も見ることができた。

photo:ルリモンハナバチ8.12:地附山
ルリモンハナバチ 8.12

photo:山頂で:地附山
孫と一緒に 8.12

photo:アアオハダの黄色い実:地附山
アアオハダの黄色い実 8.12

photo:桝形城跡にて:地附山
桝形城跡706mにて 8.12

しばらく青いハチを観察してから帰ることにしたが、孫は桝形城跡に登ってみたいという。登山口の粘菌を観察している夫を残して、イケさんと私は孫の後ろからついていく。飛ぶように登っていく孫を追いかけて息を切らしながら一巡りした。珍しい黄色い実のアオハダが色づいてきたので、みんなで見上げてから登山口まで戻った。


photo:蝉抜け殻:地附山
オオガンクビソウに蝉抜け殻 8.20

お盆の頃は忙しく、なかなか山へ行けなかった。お盆明けには激しい雷雨もあり、あちこちで雷が落ちたと聞く。しばらくぶりで裏山へ行くと、地附山公園の浄水施設も落雷の影響を受けて故障中という。公園の入り口でバッタリ出会ったイケさんと一緒にのんびり山歩きだ。

「今日の目的は粘菌と青いハチ」とお互いに言いながら、まずは旧道を通って公園の上部東側広場に行く。ここには木の葉が積み重ねられ、カブトムシの幼虫を保護している場所がある。やぶの中を登ろうとするイケさんに、ちょっと落ち葉を見てからと夫。人が積み上げた落ち葉の中に粘菌が発生することがあるからだ。いたいた、ニセタチコホコリ。枯れた葉にニョキニョキと小人が遊んでいるように見える。男子二人は大喜びで撮影している。

photo:ニセタチコホコリ:地附山

photo:ニセタチコホコリ:地附山

photo:ニセタチコホコリ:地附山

photo:ニセタチコホコリ:地附山

ニセタチコホコリ 8.20

photo:ニセタチコホコリ撮影:地附山
粘菌撮影に夢中 8.20

さて登ろうか。藪をかき分けて進む。今年はキノコが少ないと嘆きながら歩いて六号円墳の下に出る。愛護会の人たちが草刈りをしたり、枯れ木を片付けたりして手入れが行き届いているので歩きやすい。倒木を積み上げてあるところには粘菌が発生しやすいから、じっくり見て歩く。ただ、あまり新しい木には出ないので、何年か経って苔が生えているようなところをのぞき込む。

photo:シロウツボホコリ:地附山
シロウツボホコリ 8.20

photo:シロウツボホコリ:地附山
ダテコムラサキホコリ 8.20

ニョキニョキとソーセージのようなコムラサキホコリの仲間や、白いウツボホコリなど、全長が5mmくらいで、うっかりすると見過ごしてしまう。道端にはミヤマウズラがたくさん咲いている。ツルリンドウも花つきが良いようだ。雨が少なく気温が高いけれど、それでも元気な花もあるのだ。粘菌ももっと湿っていた方が出やすいのではないかと思うが、こんなに乾いているのに倒木一面にびっしりと出ているものもある。それは例えばクモノスホコリの仲間、みっしりと生えて毛皮のように木を覆い尽くしている時もある。

photo:ヌスビトハギ:地附山
ヌスビトハギ

photo:ミヤマウズラ:地附山
ミヤマウズラ

photo:ツルリンドウ:地附山
ツルリンドウ

photo:ウド:地附山
ウド

道端の花たち 8.20

photo:クモノスホコリ:地附山
クモノスホコリ 8.20

photo:キフシススホコリ:地附山
キフシススホコリ 8.20

こうして粘菌を探して歩いていると、落ちている花殻や実に目がいく。そこから見上げると木の花や実が見つかる。森には小さな虫たちもたくさん動いているから、その動きを追いかけてしばし佇むこともよくある。

photo:オニヤンマ:地附山
オニヤンマ

photo:アゲハチョウ:地附山
アゲハチョウ

photo:クモの巣:地附山
クモの巣

photo:ミカドトックリバチ:地附山
ミカドトックリバチ

いろいろな虫 8.20

アオハダには赤い実や黄色い実がなることをイケさんから教えてもらったが、この山で黄色いのは一本だけ、他はみんな真っ赤に実る。小さな透けるような赤い実が木の上に光っているのを見ると元気が湧いてくる。

photo:アオハダの赤い実:地附山
アオハダの赤い実 8.20

実りは充実を感じさせてくれるのだろうか、道端に生い茂るようにはびこるノブドウも色づいてくると可愛らしく感じる。クズやノブドウやヤブカラシなどのツル草が茂るところで変わった葉を見ると首を傾げていたが、ノブドウの仲間だということがわかった。ノブドウは食べられないけれど、彩りが豊かなのでこれからの季節の楽しみになる。

photo:クマヤナギ結実:地附山
クマヤナギ結実

photo:キレハノブドウ:地附山
キレハノブドウ

photo:ノブドウ不分裂葉:地附山
ノブドウ不分裂葉

photo:ノブドウ:地附山
ノブドウ

ノブドウが色づいてきた 8.20

さて、山頂で青いハチに会ってから帰ろうか。今日も元気にやってきた青いハチは心なし大きくなっているような気がするが・・・。同じハチとは限らないのに何故か友達気分になっているのが我ながらおかしい。

photo:オニヤンマ:地附山

photo:アゲハチョウ:地附山

photo:クモの巣:地附山

photo:ミカドトックリバチ:地附山

ルリモンハナバチ 8.20

photo:山頂で:地附山
斜めの日差しのいたずら 8.20

ハチとツーショットというわけにはいかないけれど、いつもと同じ山頂での定点撮影をしてからゆっくり山を降りた。




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