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安中アルプスで日向ぼっこ(群馬県)

御殿山(ごてんやま) 405m、石尊山(せきそんさん) 571m、戸谷山(とやさん) 605m〜

2026年3月16日(水)


北陸新幹線の安中榛名駅から歩いて行ける里山があり、その峰を結ぶコースが安中アルプスという愛称で親しまれていると聞いた。山と言えばアルプスと呼んだりやたらアルプスがもてはやされたりするのはあまり好きではないが、地元の人に愛されている山なのだろうという親しみも湧く。

広域地図

今日は晴れそうだというので、朝早めに支度をして家を出る。早めと言っても7時半になろうというくらい。長野駅まで歩いて新幹線の切符を買う。里山歩きに新幹線というのは贅沢な気がしないでもないが、安中榛名駅を通る線路は北陸新幹線だけ。駅に降りると、トンネルを潜って裏側に出る。手前に駅、その向こうには妙義の独特なギザギザの山容が際立つ。

photo1北陸新幹線安中榛名駅
北陸新幹線で安中榛名駅へ

photo2安中榛名駅と妙義山
安中榛名駅と妙義山

photo3荒れた竹林
荒れた竹林

ゆっくり車道を登って行くと新しい道標がある。小さいけれど、遠くからもよく目立つ。道標に沿って御殿山に向かう。少し降って行く道だ。せっかく登ってきたのに、降るのか〜と、夫がぼやく。しばらく暗い森の中の道を行くと、いつの間にか林道になった。車も通れる道幅だが、荒れている。太い竹がびっしり重なり合うように茂っている竹林、だが、たくさんの竹が折れて重なるように倒れている。歩いても歩いても竹林だ。だいぶ降ったところにほのかなピンクの広がりが見える。近づくと河津桜らしい。そろそろ花は終わりだが、他に花色がない中で柔らかなピンクの広がりはほのぼのとする。

photo4河津桜が咲いている
河津桜が咲いている

photo5岩戸観音堂の跡
岩戸観音堂の跡

ここからは道標に従って山道に入る。四十七士の石像と御殿山の看板がある。緩やかに登って行くと、いきなり見上げるような垂直の崖、その下に横穴が掘ってあり、何体かの石仏が祀られている。岩戸観音堂跡だ。この大きさはどうだ、すごい。これは人工物なのだろうか。自然が作ったものなのだろうか。見上げていると一人女性がやってきて一緒に見上げて先へ行った。女性を追うように私たちもまた登り始める。百メートルほど先に赤穂四十七士の石像があった。同じような垂直の崖に掘られた横穴に小さな石像が並んでいるが、鮮やかな緑のネットが貼られていて興醒め。早々に山道を登り始める。急な痩せた道をしばらく登ると、先に行った女性が分岐の道標の前に立っている。その前には「私有地につき立入禁止」という札が。「今の道を戻らなければならないみたいですよ」と女性。左折してわずかに登ると御殿山の山頂だが、御殿山をピストンした後の石尊山への縦走コースが侵入禁止になっている。「私が地主ならどうぞと言うのに・・・」と呟きながら女性は降っていった。

photo6赤穂四十七士石像から御殿山へ
赤穂四十七士石像から御殿山へ

photo7古い道標がそのままあるけれど
古い道標がそのままあるけれど

私たちはまず今日の最初のピーク御殿山に向かう。狭い山頂だが、落ち葉が積もってふかふか気持ち良い。立木の間からは関東平野が見下ろせる。「気持ちいいからここでおにぎりを食べよう」と夫。まだ10時ですけれど・・・。ポカポカ日当たりの良い山頂でのんびりおにぎりを食べる。

photo8関東平野が見下ろせる御殿山山頂
関東平野が見下ろせる御殿山山頂

さて、私たちも降ろうか。古い縦走路の道標は私有地へ向かっていて、道もしっかりしているようだが侵入禁止では仕方がない。来た道を戻って、車道をしばらく歩く。石尊山への道標を見つけ、民家の間の道を登って行くと紅白の梅の花が咲く梅林の間に入って行く。梅林はすぐなくなって山道になるが、緩やかな登りだ。ポカポカ日を浴びながら歩いて行くと、右から登山道がぶつかるが、そこには綱が張ってあり「私有地につき立入禁止」の札が。

photo9梅林は香り豊か
梅林は香り豊か

photo10アカタテハ舞う道を行く
アカタテハ舞う道を行く

さっきの道はここへ出てくるんだね。横目で見ながら緩やかな広い稜線の道を進む。ポカポカと暖かい日差しの中で上着を脱いでも汗が滲んでくる。

ところどころに梅畑の名残りらしい梅の花が咲いている。その中にミヤマウグイスカグラの木もこっそり混じって赤い花を開いているのが楽しい。

草も木もそれぞれの春

photoクロモジ
クロモジ(クスノキ科)

photoミヤマウグイスカグラ
ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)

photoカンスゲ
カンスゲ(カヤツリグサ科)

photoチャノキ
チャノキ(ツバキ科)

photo11巨大なツルが多い
巨大なツルが多い

photo14分かりやすい道標
分かりやすい道標に従って歩く

しばらく歩くと木々の隙間から上越県境の白い峰が見えてきた。近くには榛名山と赤城山の峰々が連なっている。

photo15石尊山山頂
石尊山山頂

そこからまたしばらく緩やかに登って行くと今までの色合いと異なる針葉樹の高い森が見えてきた。石尊山の山頂だ。針葉樹が茂る山頂は暗いが、信仰深い山だったらしく山頂にはいくつもの石祠が祀られている。南側に少しだけ展望が開けたところにベンチがある。お日様に背中を向けて日干しだ。びっしょりになったシャツを乾かしながら煎餅を食べる。ちょうどお昼だ。木々の間から上州の平野が広がっている。

春の花 1

photoカントウタンポポ
カントウタンポポ(キク科)

photoスミレ仲間
スミレ仲間(スミレ科)

photoトウダイグサ
トウダイグサ(トウダイグサ科)

photoミツバツチグリ
ミツバツチグリ(バラ科)

photo16風戸峠上の針葉樹の森
風戸峠上の針葉樹の森

しばらく日向ぼっこをしていたらシャツも乾いたので、そろそろ立とうか。緩やかに降って行くと車道に出る。風戸峠だ。今来た道には安中市、道を渡って戸谷山への登山口には高崎市の標識が立っている。戸谷山への道は暗い針葉樹の中に続いている。杉や檜の森だ。道は遠いと覚悟して登って行ったら、思ったより早く開けた山頂に着いた。目の前に大きな妙義山。わぁ〜と言いながら広い山頂を進むとさらに右奥に大きな浅間山が見える。噴火口から白い煙が立っている。山頂には竹が組んであるので、何か植生保護をしてあるのかと思ったが、これが展望筒だった。覗いてみると竹の穴の中に一つの山頂が見える。竹は節が綺麗に取ってあり、外側には見える山の名前が書いてあるのだ。誰が考えたのか、なかなか面白い趣向だ。私たちはまたここでのんびり日向ぼっこをする。この広々とした空間に誰もいないなんて、勿体無いようだ。

photo17ポカポカと気持ち良い
ポカポカと気持ち良い

photo18広々とした戸谷山山頂
広々とした戸谷山山頂

photo19おっ見える見える
おっ見える見える

photo20戸谷山頂から見る浅間山
戸谷山頂から見る浅間山

新幹線の時間までには駅に戻らなければと立ち上がり、降り始めたら、男女が二人登ってきた。最初に会った女性とこの男女と、今日山で出会ったのは3人。

道標に従って安中榛名駅を目指す。途中は関東ふれ合いの道をしばらく歩く。ところどころに梅の花が咲いているのがいかにも安中らしいのだが、多くの梅畑はすっかり荒れて、中にはマント植物に覆われ、その下からかろうじて生き延びている枝が花を開いている様子。梅の高貴な香りも、マント植物の茶色い茂みの下からではかわいそうだ。耕す人がいなくなってしまったのだろうか。道端にはオオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウが咲き誇っている。ハコベやナズナの白、カントウタンポポらしい黄色も混ざって春を歌っているのに、一歩入ると荒れ放題の畑だ。

photo21風戸峠四阿から戸谷山を見る
風戸峠四阿から戸谷山を見る

photo22マント植物に覆われた梅林
マント植物に覆われた梅林

しばらく歩いて行くと道の脇は深い竹林になった。一本一本の竹は太く迫力あるが、ここもまたたくさんの竹が倒れて重なり合っている。茶色く枯れた竹が折れ重なってどこまでも続くので、その風景は怖いようだ。明るい日差しとポカポカ暖かい空気の中なので、私たちは呑気な旅人の感想で眺めているが、地元の人にとっては頭が痛いことかもしれない。

しばらく歩いて石尊山の直登コースを過ぎると、車道から外れて細い道を進む。小鳥の姿がたくさん見えたが、人の姿は見えない。湿地のような草ぼうぼうの土地、一面に広がったマント植物の下からわずかに花咲いている梅、枯れてぶら下がっているカラスウリの実。梅畑の脇に続くチャノキは花殻がたくさんついている。

春の花 2

photoホトケノザ
ホトケノザ(シソ科)

photoヒメオドリコソウ
ヒメオドリコソウ(シソ科)

photoナズナ
ナズナ(アブラナ科)

photoオオアラセイトウ
オオアラセイトウ(アブラナ科)

かなり降りて駅が近くなると、手入れされているらしい梅畑に出た。満開の梅が香る。なんだかホッとする。

そこからは朝歩いた道、安中榛名駅はもうそこ。

photo24新幹線安中榛名駅
行きも帰りも新幹線




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