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戸隠森林植物園から鏡池(長野県)

2025年10月18日(土)


photo1みどりが池
みどりが池

朝8時半過ぎのバスで戸隠へ向かった。路線バスの本数が減り、行き先も戸隠中社止まり。その先の森林植物園へ行くには中社から歩かなければならない。歩くのは嫌ではないけれど、時間指定があるときは気にかかる。

途中小走りになって戸隠森林植物園に到着。ところがみどりが池の周りは静かだ。大きな望遠鏡付きのカメラを持った人が数人ベンチに座って梢を眺めている。あれ?今日は観察会じゃないのかな?なんと一週間間違えていた。

さまざまに実る姿

photoナナカマド
ナナカマド

photoマルバゴマギ
マルバゴマギ

photoフッキソウ
フッキソウ

photoユモトマユミ
ユモトマユミ

私のトンマな1日はこうしてスタート。さて、どうしようか。日中のバスはないから帰りは3時過ぎのバスになる。それまでの時間どこを歩こうか、ポッカリ空いた全く自由な時間。歩いたことのない道を探索するのも私の好きなことだが、今日は青空が見えるうちに鏡池へ行ってこよう。観光客が多いかもしれないけれど、ひとりぼっちで歩くには心強いかもしれない。

赤い木の実

photoツリバナ
ツリバナ

photoズミ
ズミ

photoコマユミ
コマユミ

photoカンボク
カンボク

みどりが池から森林植物園の高台園地に向かっていく道には誰も歩いていない。けれど、何度も何度も歩いた道だからか、安心感がある。熊鈴をリーンリーンと鳴らしながら一人でゆっくり歩く。

photo4高台までは誰にも会わなかった
高台までは誰にも会わなかった

さすがに標高千メートルの戸隠、花は終わり、実りの季節だ。目につく実を一つ一つ写真に撮りながら歩く。高台園地の花畑も今は茶枯れている。

高台を越え、坂を降りて湿原に向かうと人が増えた。木道を歩いて外周道路に入り、鏡池へ向かう道はなかなかの人気だ。たくさんの人とすれ違う。私がのんびり草の実やキノコの写真を撮っていると、何をしているのかなというふうに見ながら追い抜いていく人も多い。そしていつも思うが外国の人がとても増えた。若い人、年配の人、さまざまな人たちが戸隠の森の中を歩いている。

目立たないけれど

photoアケボノソウ
アケボノソウ

photoゲンノショウコ
ゲンノショウコ

photoズダヤクシュ
ズダヤクシュ

photoノブキ
ノブキ

photo6落ち葉が積もった木道
落ち葉が積もった木道

鳥の羽ばたきも聞こえるから、野鳥観察の人にとっても良い季節なのだろう。大きなカメラをぶら下げたり、三脚に固定したりして上を向いている人も多い。

倒れて苔むしている木々も多いので粘菌はないかとのぞいて行くが、緑濃い苔ばかり。それでも出たばかりのオレンジ色のマメホコリを見つけることができた。キノコもたくさんあったが、名前がわからないものばかり。一昨日は大雨だったし、昨日の夜も降ったから、道には水が溜まっているところが多い。キノコや粘菌も雨は嬉しいかもしれないが、どんと降ったばかりではまだ動き始めていないかもしれない。

photo7粘菌にも会えた
粘菌にも会えた

実を探す

photoアケボノシュスラン
アケボノシュスラン

photoユキザサ
ユキザサ

photoトチバニンジン
トチバニンジン

photoオオナルコユリ
オオナルコユリ

photo69森の中にひっそり翁媼
森の中にひっそり翁媼

いつもの翁と媼に挨拶して沢を渡ると鏡池は近い。森にはコマユミの真っ赤な小さい実がたくさん見えるが、サワフタギの綺麗な青が見えない。覆い被さる葉を動かすと先端に僅かに光るのを見るだけだ。もう終わりなのかな。ツクバトリカブトらしい紫の花がわずかに咲き残っているのを見ながら最後の階段を登る。

photo10ツクバトリカブトか
ツクバトリカブトか

一気に開いた目の前に、戸隠の岩山と見事にそれを写す鏡池が広がった。「わぁ〜」思わず声が出るのは私だけではない。みんな登りきると「わぁ、綺麗」などと叫んでいる。

photo11紅葉始まる鏡池
紅葉始まる鏡池

雲もあるのだが、山のスカイラインは青空にくっきりと浮き上がっている。正面に見えるところでぼんやり立っていると、花嫁さん花婿さんの撮影隊がやってきた。白い打掛を着た花嫁さんだ。最近美しい風景の中で記念写真を撮るのが人気らしい、山が好きな人たちなのだろうか。今日は鏡のように山を写す池が見事だから良い写真になるだろう。こちらは自撮りに挑戦して苦笑い。

photo12今日のお昼のパン
今日のお昼のパンはこれ

山を眺めながら、持ってきたパンをムシャムシャ食べてのんびりする。暑くもなく、寒くもなく、美しい景色を眺めながら過ごすランチタイム、最高だ。紅葉の最盛期はもうちょっと後かというところだが、ほんのり装った山の姿もなかなか良いではないか。

photo13ずっと見ていたい鏡池と戸隠山
ずっと見ていたい鏡池と戸隠山

のんびり過ごしていると次第に雲が多くなり、微かに波立ってきた水面を見ると風も出てきたのだろう。そろそろ帰ろうか。

photo15キノコもいっぱい
キノコもいっぱい

来た道を戻り、一本奥の道から湿原の中を通って奥社参道への道に出よう。湿原の道には花の終わったサラシナショウマの実が黒くなってツンツン立っている。ヒュウガセンキュウの花も終わり、小さな実が膨らみ始めている。そして嬉しいことにサワフタギの枝先にはたくさんの青い実が輝いている。

実をつけて冬を待つ

photoマムシグサ仲間
マムシグサ仲間

photoオオウバユリ
オオウバユリ

photoサラシナショウマ
サラシナショウマ

photoシオデ
シオデ

photo16サワフタギ
サワフタギ

いっぱい出会えた実りたちに挨拶しながら中央広場を後にする。バスに乗るには中社まで行かなくてはならないので、車道をゆっくり歩く。朝は立ちっぱなしの後、この道を急ぎ足で通ったが、帰りは座っていきたいものだと、早めに中社のバス停を目指す。

夫への土産は五穀大福、カバンに入れてバス停に到着。30分前に並んで正解、後ろには長い列ができた。




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