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雪の戸隠森林植物園 1200mと花咲く大谷地湿原 1039m(長野県)

2025年4月25日(木)


photo1森林植物園の駐車場に雪の山
森林植物園の駐車場に雪の山

何年も前に戸隠を訪ねた時オウレンの実が綺麗だったことを思い出して、春一番に咲くオウレンを見たいと連休前の晴れ間を見て急遽出かけた。

ところが今年はとても雪の多い冬だった。飯綱高原を過ぎ、戸隠に近づくほどに周囲の森影に雪が見える。森林植物園の駐車場には片付けた雪が山になっている。そして森の中には白い部分が広がっている。

photo2みどりが池から戸隠山
みどりが池から戸隠山

photo3まだ一面雪の原
まだ一面雪の原

「これではダメだね」「花どころか、土の上を歩けるのか・・・」などと言いながらみどりが池から森の中に入っていく。周辺の遊歩道は雪を退けてあり、今日も野鳥観察らしい人が大きなカメラを持って何組も歩いている。私たちは一応以前実があったところを見てみようと、山道を少し登ったところにあるビオトープ周辺に行ってみる。一面の雪景色。木の周りに丸く根開けが広がっているばかり。

photo4オオカメノキ冬芽
オオカメノキ冬芽

photo5シナノキ
シナノキ

草の芽生えもまだない白い世界、花を見つける楽しみは消えたけれど、雪の上を自在に歩けるのは嬉しい。残雪があるわずかな季節だけの楽しみだ。湿原の方に降りると水の流れが隠れていて、うっかり踏み抜くと雪解け水の流れの中に落ちてしまうから危険だ。だが、山の斜面は木々の根元を見ながらゆっくり歩けばかなり広い範囲を自由に歩くことができる。

photo6木道も雪が被っている
木道も雪が被っている

photo7高台はまだ一面の雪
高台はまだ一面の雪

雪がない季節にはどこか乾き始めたように見える湿原も、今は一面池のように水でいっぱいだ。それでも小さな流れは幾筋かあり、その水たまりに2羽のカルガモが寄り添っている。つがいだろうか、何かおしゃべりしているように時々首を曲げて見つめ合ったり、同じ方向を見たりしている。

カモさんと別れ、半ば雪に潜った木道を滑らないように気をつけながら歩いて一回り。みどりが池にはカルガモだけでなくマガモや小さなカモもいて賑やかだ。しばらくカモたちを眺めてから車に戻った。

photo8みどりが池のカモさん
みどりが池のカモさん

戸隠が思ったより多い雪だったので、飯綱高原はどうだろうかと、恐る恐る大谷地湿原に向かう。戸隠を訪れる時の行き帰りに、飯縄山や瑪瑙山に登った帰り道に訪れることが多い。もちろん大谷地湿原散策を目的に足を運ぶこともあり、幹線道路からそのまま歩けるのでたびたび訪れている。春の大谷地湿原を振り返ると、リュウキンカの広がりが年によって違うのが面白い。台風で湿原の周遊コースが荒れて通行不能になっていたこともあるが、整備されて通れるようになった。カヤが一面に茂ってどうなることかと思ったこともあったが、水の流れを変えたり、カヤを刈ったりして少しずつ湿原を残す計画が行われているようだ。自然の威力には敵わないかもしれないが、人間と自然の共生というテーマで考え続けることは必要だと思う。

photo9カヤの下にリュウキンカ
カヤの下にリュウキンカ 1999.5.23

photo11コブシが満開
コブシが満開

車を降りて歩き始めると、青空にコブシの白が眩しい。ここに来ると思い出すのはアメリカの友人がこのコブシを見上げて「オ〜サクラ」と喜んだ笑顔。あの時はもっと密に枝が広がって真っ白に見えたから、間違えるのも無理はないと思ったものだ。今となっては懐かしい思い出だ。互いに歳を重ね、国を越えての行き来が難しくなってきた。満開の桜の写真を送るのをこの季節の挨拶にしている。

photo10リュウキンカが咲き出した
リュウキンカが咲き出した 2015.5.15

photo12大谷地湿原に春がきた
大谷地湿原に春がきた

さて、感傷に浸るのはやめて春がきた湿原を歩いてみよう。ミズバショウとリュウキンカが水の流れに沿うように花を開いている。真正面に飯縄山を見ながら何度か新しくなった遊歩道をいく。森の淵に突き当たると、ネコノメソウが明るい黄色に広がっている。山に沿うように奥へ入っていく。乾き始めた湿原にはナニワズの黄色い花が散らばっている。丈の低い木に点々と明るい黄色の花がついている。関東で山を歩いていた頃ナツボウズ、あるいはオニシバリと呼んでいた木に似ている。ナニワズは少し違い、別名エゾオニシバリと言うとか。詳しい違いは分からないが日本海側に生息するのがナニワズだそうだ。

photo13ナニワズの雄花,雌花
ナニワズ

photo14アズマイチゲいっぱい
アズマイチゲいっぱい

さらに進むと純白のアズマイチゲが満開だ。奥の方まで白い花がたくさん咲いている。わずかだがショウジョウバカマも見える。斜面にはタチツボスミレが満開だ。そして水路を越える橋の辺りまでくると今度は一面にニリンソウの葉が広がっている。ピンクの蕾が膨らみ開くと真っ白になる。

photo15一面のニリンソウ,エンレイソウ,ショウジョウバカマ,スミレ
一面のニリンソウと春の花

photo16お昼は坦々麺
今日のお昼は坦々麺中辛

雪の戸隠を歩いた後だけに春の花々の姿が一段と嬉しさを増す。ゆっくり歩いたので気がつくとお昼時を回っていた。以前からちょっと気になっていた中華のお店に寄ってみよう。坦々麺が美味しいと聞いた。坦々麺は評判通りの美味しさで、満足して帰路についた。




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