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地附山 733mの紅葉だより(長野県)

2024年11月13日(水)


photo1まず公園から
まず公園から

夏の猛暑がすごかったので、今年の紅葉はあまり期待できないのではないかと、あちらこちらで囁かれている。さて、地附山はどうだろう。

キノコの季節が過ぎようとしている。もみじやカエデが多い地附山中腹は毎年綺麗に染まる。だが、まだ半月ほど後かな。

どんな具合か見てこようと話しながら出かけた。いつもは人の少ないコースを歩き、藪の中を歩くこともあるが、紅葉の様子を見るのは公園から最もたくさん歩かれている、ジグザグ道のつづらコースが良いだろう。

photo2ダンコウバイ冬芽:地附山
ダンコウバイ冬芽

photo3公園のもみじが真っ赤:地附山
公園のもみじが真っ赤

周りの木々を見ながらゆっくり歩く。公園のソメイヨシノは濃い赤に染まっていた葉を全て散らしてしまった。ポプラの木が黄色く装い始めている。

photo4紅葉とヒヨドリジョウゴの実:地附山
赤の競演

ダンコウバイが多いが、木によって黄金色に輝いているのもあれば、白っちゃけて縮んだ葉を僅かに枝に残しているのもある。また冬芽が膨らんできているが、細い葉芽ばかり多い木もあれば、丸い花芽を今にも膨らみそうにつけている枝もある。人それぞれという言葉があるが、木もそれぞれだ。

photo5ウリハダカエデ:地附山
ウリハダカエデ

「もみじ」と言ったり「カエデ」と言ったりしているが、園芸品種も多いそれぞれの名前が正確には分からないことも多い。葉の切れ込みが深いのはもみじ、浅めのはカエデという一つの視点はあるが、もともとどちらもカエデ科だから同じ仲間なのだ。

地附山にはウリハダカエデとウリカエデが多いので、これは覚えた。だが、ウリハダカエデの葉は黄色く染まると思っていたら、日当たりの良いところで綺麗なオレンジ色になっているのを発見、なかなか難しい。

久しぶりにパワーポイントに出た。残念ながら霞がかっていて遠くは見えない。栗の木に絡まるツルウメモドキの実が綺麗に光っている。歩いていくと自然のいたずらが面白い。木の葉がレースのようになっているのは虫の仕業か。

photo6ツルウメモドキ:地附山
ツルウメモドキ

photo7葉脈だけの葉:地附山
自然のいたずら

たくさん輝いていた木々の実もどんどん減っている。動物や鳥の餌になったのだろうか。ホツツジや、ネジキの実は茶色くて小さいので目立たないけれど、ガマズミの仲間は赤いので遠くからもよく見える。ナツハゼ、タンナサワフタギ、オオバクロモジなどは黒っぽいので目立たない。熟したいくつかの実を味見したのはだいぶ前になるか。

森を彩る赤い実

photoコバノガマズミ:地附山
コバノガマズミ

photo不明:地附山
何の実かな

photoサルマメ:地附山
サルマメ

photoサルトリイバラ:地附山
サルトリイバラ

ミヤマガマズミ

photoミヤマガマズミ:地附山

photoミヤマガマズミ:地附山

photoミヤマガマズミ:地附山

photoミヤマガマズミ:地附山

photo山頂にて:地附山
明るい森になってきた

山頂のベンチに腰掛けて煎餅でも食べようかと思ったが、風が強い。飯縄山も白い雲の向こうで霞んでいる。頭上には青空も見えるのだが、何しろ風が冷たい。長居は無用とモウセンゴケ群生地に向かう。群生地への分かれ目にある木のベンチはだいぶ傷んでいるが、ここは風の通り道にならないのでポカポカしている。ここで休憩しよう。

煎餅を食べながら足元を見る。センブリはすでに花が終わり、茶色く枯れてきた。小さな苔がたくさん見えるが、赤い胞子を乗せているのはコナアカミゴケだろうか。そして先端が白くなっている苔も広がっているが、これは何だろう。アリノトウグサは真っ赤に紅葉して絨毯のようだ。

小さなコケたち

photoヤリノホゴケか:地附山
ヤリノホゴケか

photoヤリノホゴケか:地附山
ヤリノホゴケか

photoコケ:地附山
コケ

photo1コナアカミゴケか:地附山
コナアカミゴケか

しばらく休んでからスキー場跡を回り、再び山頂下を通って前方後円墳の方に回ってみる。やはりスッポンタケのその後が気にかかる。キノコや苔を気にして歩いていると、木の幹に張り付くような黒い塊が多いことに気づく。苔か、キノコか、それとも地衣類なのか。触ってみるとビロードのようにふかふかしている。登るたびに宿題が増えるなぁ。

木の実を見たり、冬芽を見たりしながらのんびり歩いていくと、まだ花が咲いているツルリンドウに会った。寒そうにちょっと色白の花が一輪。のんびりやなのか、そこは陽だまりになっていたのか、「ちゃんと実をつけられるといいね」と話しかけて、先へ進んだ。

photo12木に張り付く黒い塊:地附山
木に張り付く黒い塊

photo13ツルリンドウ:地附山
ツルリンドウ

スッポンタケはほとんどが萎れてしまっている。だが、地面の中にはまだ卵も残っていた。「これはもう出て来ないんじゃないの」と夫。一気に寒さが厳しくなってきて、もしかしたら雪も降るかもしれない季節。卵のまま萎れてしまった子も前にいくつか見たから、確かにありうることだが、今見る卵は張り切っているからまだこれから出てくるかもしれない。

photo15紅葉の始まった道,スッポンタケなど:地附山
紅葉の始まった道

今年は豊作だったキノコの数も減ってきた。粘菌もあまり見られない。マメホコリがポツポツと顔を出している近くに、ヌカホコリらしいつぶつぶが見えるばかり。

森を通り抜けて旧道に出る。オオバギボウシの塊があるが、もちろん今は花が終わり黒い実をたくさんつけている。

photo14ギボウシとオオバギボウシの実:地附山
黒い実をつけるギボウシ

毎日の仕事の合間にちょっと出かけられる裏山にも自然は様々な姿を見せてくれる。ちょっと立ち止まってその世界に浸るだけで、私たちは豊かな時間をもらえる。

photo16紅葉:地附山
空が染まる




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