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秋晴れの瑪瑙山 1748m(長野県)

2024年11月4日(月)


朝から青空が広がっている。久しぶりに爽やかな空気だ。洗濯物を干すのを待ってソワソワしている。こんな日はどこかへ行きたくなる。

photo1木の葉が落ちた森:瑪瑙山
木の葉が落ちて

「袴岳に行こうか」「いいね」「志賀の方も今日は晴れているかな」「多分」・・・思いついたところを並べている。 こんなにお天気が良いのは久しぶりだから、見晴らしの良いところに行こうかと、思いついたのが瑪瑙山。この季節には行っていないから初めての瑪瑙山の紅葉が楽しみだ。家にある食料を鞄に詰め込んで出発。連休だから戸隠は混んでいるかもしれないけれど、スキー場の駐車場は大丈夫だろう。

photo2沢を渡る:瑪瑙山
沢を渡る

思った通り、広い駐車場には数台の車が停まっているだけ。私たちは足元を整えて歩き出す。草原に座って絵を描く男性が遠くに小さく見える。雪を待つばかりに準備されたスキー場のゲレンデは広々している。振り返ると、戸隠山が大きい。

つい見惚れてしまうが、私たちはさらに上を目指す。ゲレンデを少し上がったところから森の中の道へ入っていく。落ち葉に敷き詰められた道はふかふかして歩きやすいが、昨日の豪雨で流された落ち葉の堆積が水の流れを教えるように続いている。

深い沢、小さな沢を丸木橋でいくつか渡り、登っていく私たちを迎えてくれるのはハラリハラリと散る落ち葉ばかり。時折落ち葉の下に顔を出すキノコが目に入るが、さすがにこの季節、花はない。わずかに一輪咲き残っていたりする。

photo3カラマツの黄葉:瑪瑙山
カラマツの黄葉

photo4紅葉に染まった道:瑪瑙山
紅葉に染まった道

道の両側は笹に覆われている。花がないと写真を撮るためにしゃがみ込まないので進むのが早い。どんどん登っていくと、両側から笹が倒れ込んできて道が覆われてしまった。

photo6咲き残った花たち:瑪瑙山
咲き残った花たち

先を歩いていた夫が「道が消えちゃった」と振り返る。確かに上から見下ろすと一面の笹ばかり。足元を見ると落ち葉が踏まれた跡が続いている。「そのまままっすぐ、笹をかき分けていけばいいよ」。しばらく露に濡れながら笹をかき分けて登ると、再び少し道が見えるようになってきた。まだしっとり露が残っているので、ズボンも靴も湿ってきたが、ひと頑張りするとゲレンデに飛び出した。ここは狭いゲレンデだけれど、小さな池があり、池の周りには湿原があって、花の季節にはコバイケイソウなどが咲く。

photo5山上の池は寒そう:瑪瑙山
山上の池は寒そう

photo8懐かしい景色がいっぱい:瑪瑙山
懐かしい景色がいっぱい

しばらく池の周りをうろうろしてからゲレンデを登り始める。この先もう一回森の中の道に入って上のゲレンデに出る道が楽しいのだが、この道にはグチョグチョした湿地もあった筈。今日は道が湿っているので、湿地はさけ、ゲレンデを登ることにした。

photo9何度も振り返るゲレンデ登り:瑪瑙山
何度も振り返る

photo7山は変わらないね:瑪瑙山
山は変わらないね

ペアリフトの山頂駅を過ぎ、お仙水コースを登りつめると山頂はすぐだ。冬にはリフトで登り、周囲の雪景色に歓声をあげたものだが、今日の快晴に浮かぶ山々も素晴らしい。急な斜面を一歩一歩登るたびに振り返りたくなる。少し登っては振り返り、また登っては振り返り、進むたびに視界がぐんと広がって、山々が迫ってくるようだ。黒姫山、妙高山、火打山、焼山、そして高妻山から続く戸隠連峰の崖がその険しさを見事に際立たせて迫ってくるようだ。山頂近くなると、北アルプスの峰々が白馬三山から南に連なり、槍ヶ岳、穂高連峰まで綺麗に見えている。

photo10瑪瑙山からの眺め
瑪瑙山からの眺め・クリックで拡大

photo11穂高連峰、槍ヶ岳が見える:瑪瑙山
穂高連峰、槍ヶ岳が見える

山頂への道にはたった一つアカモノの実が露に濡れて光っている。飯縄山の山頂がすぐそこに見えるが、登山道は一度下ってから登り返すからなかなか大変だ。

photo12飯縄山をバックに瑪瑙山山頂
飯縄山をバックに 瑪瑙山山頂で

スキーで来た時にはリフトの山頂駅からヨイショと登って景色を楽しんだものだが、今は同じ景色が秋色に染まっている。

photo13瑪瑙山山頂にて:瑪瑙山
瑪瑙山山頂にて 1998.3.28

photo14冷たい風を避けて:瑪瑙山
冷たい風を避けて

山頂は風が強いので、肩に降りて休憩しよう。リフト山頂駅の板のスロープに腰掛けてパンと煎餅を食べる。山ではみかんも美味しい。

軽くお腹を満たしてもまだ正午前だ。今度はめのうゲレンデを降ろう。目の前の戸隠山目がけて一気に滑り降りるコースは迫力満点の魅力的なスキーコースだが、歩いていてもなかなかの高度差を感じる。

photo15山に手が届くよう:瑪瑙山
山に手が届くよう

枯れススキの穂が揺れる中に真っ白なヤナギランの綿毛がツンツン立っている。今度はヤナギランが咲く季節にも来てみよう。真っ赤に染まっているのは何の葉だろう。ススキの海の中に時々群生している。

photo16紅葉と戸隠連山:瑪瑙山
紅葉と戸隠連山

目の前の戸隠連峰が次第に迫り上がってくる。駐車場に降りてしまえばただ見上げるだけだが、一歩ごとに山が競り上がってくるような素晴らしい景観は急斜面ならではだろう。私たちはゆっくりゆっくり歩きながら、南の太陽と、雄大な戸隠連峰の垂直の壁を楽しんでいた。




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