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地附山に遊ぶ(長野県)

2024年6月19日(水)、22日(土)、24日(月)、25日(火)


photo:ウメガサソウ:地附山
ウメガサソウ 6.19

とうとう梅雨入りしたらしい。雨が少ないと農作物はもちろん、山の木々も勢いがなくなる。今年は雪が少なかったので、早くから水不足の声が聞こえていた。最近は適度に降るということがなく、降ると一気に豪雨になる。少しずつ湿り気をもたらしてくれると良いのだが。

photo:モウセンゴケ:地附山
モウセンゴケの葉と花 6.22

この季節になるとウメガサソウを見に出かけたくなる。地附山には自生するウメガサソウが多い。だが、年によって開花状況は変わる。今年は少ない気がする。ウメガサソウが満開になってくると、時期をちょっとずらしてモウセンゴケの純白の花が下から順番に開いてくる。小さく並んだ蕾が一気に開くことはないのが控えめだが、みんな開けば綺麗なのに・・・などと、自然界の仕組みなど知らない私は思ってしまう。受粉の不思議は調べてみるとさまざまな植物に工夫が見られるから、モウセンゴケにも理由があるのだろう。稀に2輪並んで開いているのを見つけると嬉しくなる。

小さな花の集まり

photo:オニタビラコ:地附山
オニタビラコ 6.22

photo:オニルリソウ:地附山
オニルリソウ 6.22

photo:カワラマツバ:地附山
カワラマツバ 6.22

photo:オカトラノオ:地附山
オカトラノオ 6.24

地附山は一時公園として開かれた空間だったそうだから、人の手もずいぶん入っているのだろう。そのせいかわからないが、植物種は多い。中には外来種もあるが、コースを変えると咲く花も変わり、なかなか楽しめる山だ。

梅雨の走りか、雨が増えてきたら、斜面にシャクジョウソウが顔を出してきた。地附山にはシャクジョウソウが咲く場所が何ヶ所かあるが、ギンリョウソウは見えない。同じような葉緑素を持たない腐生植物だと思うけれど、何か咲く場所を選ぶ根拠があるのか。

photo:シャクジョウソウ:地附山
シャクジョウソウ 6.24

クモキリソウも綺麗な明るい緑の葉を広げている。花も葉と同じような色で目立たないが、満開だ。

どのコースにどんな花が咲くかは歩いてみてのお楽しみ。びっくりするほど種類は多い。最近増えてきたウツボグサはどのコースを歩いても見られるようになった。濃い紫が目を惹く。ヒメジョオンや、シロツメクサ、アカツメクサなどは見向きもされないが、見事な造形だと思う。つい珍しいものに目がいくが、どこにでもあるものが素敵なこともある。

山道の楽しみ

photo:ウツボグサ:地附山
ウツボグサ 6.22

photo:ヤマホタルブクロ:地附山
ヤマホタルブクロ 6.22

photo:クモキリソウ:地附山
クモキリソウ 6.19

photo:ホタルブクロか:地附山
ホタルブクロか 6.25

6月の後半になると木の実が膨らんでくる。森の生き物にとっては喜びの季節が始まるだろうか。桜の実、桑の実、木苺の実などは歩くたびにちょっとつまむ。ナツハゼ、ナツグミはこれからか。食べられない実ももちろん見て楽しむことができる。

彩り豊かな木の実

photo:ヒョウタンボク:地附山
ヒョウタンボク 6.19

photo:ニワトコ:地附山
ニワトコ 6.19

photo:キブシ:地附山
キブシ 6.22

photo:ナツグミ:地附山
ナツグミ 6.24

キブシ、カエデ類、ダンコウバイなどが膨らんできた。ガマズミの仲間はキラキラ光っている。これからさらに膨らんで真っ赤になる。

木の実が膨らんでくる

photo:コバノガマズミ:地附山
コバノガマズミ 6.19

photo:ミヤマガマズミ:地附山
ミヤマガマズミ 6.19

photo:ウリカエデ:地附山
ウリカエデ 6.22

photo:カラコギカエデ:地附山
カラコギカエデ 6.22

木の花さまざま

photo:ナツハゼミ:地附山
ナツハゼ 6.19

photo:ミヤマホウソ:地附山
ミヤマホウソ 6.24

photo:ムラサキシキブ:地附山
ムラサキシキブ 6.22

photo:スイカズラ:地附山
スイカズラ 6.22

そして、粘菌。ようやく動き始めた粘菌を追いかけて、山道を歩く。腐りかけた倒木の影を覗きながら歩くから、道無き道を分け入ることも多い。

さまざまな粘菌たち

photo:ツノホコリ仲間:地附山
ツノホコリ仲間

photo:ムラサキホコリ仲間:地附山
ムラサキホコリ仲間 6.22

photo:キフシススホコリ:地附山
キフシススホコリ

photo:マメホコリ:地附山
マメホコリ

photo:変形菌未熟子実体:地附山
こんなに小さい粘菌 6.24

まだまだ種類は少ないし、とっても小さいのが多くて撮影が難しいが、発見の楽しみは大きい。変化が早いので、うっかりしていると胞子を飛ばしてしまって、倒木と一体化したような姿になり、なかなか見つからない。

25日は私に一日出かける用があり、一人で登った夫が新発見をしたという。次は一緒に行って教えてもらおう。フサホコリという粘菌は紺色で小さく、よく見つけたと感心する。

photo:変形菌フサホコリ:地附山
粘菌 フサホコリ 6.25

photo:変形菌トビゲウツボホコリ:地附山
粘菌トビゲウツボホコリの変化

色も形もとりどりに

photo:イチヤクソウ:地附山
イチヤクソウ 6.22

photo:キツリフネ:地附山
キツリフネ 6.22

photo:ノハラナデシコ:地附山
ノハラナデシコ 6.25

photo:ヤマトキソウ:地附山
ヤマトキソウ 6.22

photo:イワガラミ:地附山
イワガラミ満開 6.22

我が家から最も近い地附山、中腹の公園には広い駐車場もあるからちょっと疲れていても、お天気が心配でも出かけることができる。公園のシンボルのようなポプラの木が昨年枯れて伐採され、遠くから見る目印がなくなったのが残念だ。豊かな樹木の森には花やキノコが多いのはもちろんだが、昆虫たちも、そして鳥たちも集まってくる。そしてその豊かな自然を求めて私たち人間もたくさん訪れる。最近では自然の爽やかな空気の中を走るトレイルランニングの人も多い。

虫を探すのも面白い 6.24

photo:マガタマハンミョウ:地附山
マガタマハンミョウ

photo:マガタマハンミョウ:地附山
マガタマハンミョウ

photo:アカスジキンカメムシ:地附山
アカスジキンカメムシ

photo:トゲアリ:地附山
トゲアリ

photo:地附山登山道からクマノミズキ満開
地附山登山道からクマノミズキ満開

さて、まだまだ初夏の花たち全てに会えていない。今年はネジキの純白の花に会えないうちに咲き終わってしまった。コースをちょっと変えればきっと咲いていたのに・・・。ハッと気がついた時には花は茶色く枯れてしまっていた。豊かなコースがあり、それぞれに咲く花があるということは、一方で見逃してしまうということもあるわけだ。今年会えなかった花にはまた来年会えるだろうか・・・。




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