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小諸懐古園 663mむかし今(長野県)

2024年6月14日(月)
参考日 1989.8.16(水)1997.8.26(火)2018.3.19(月)


小諸へ行く予定ではなかった。久しぶりに関東からやってきた娘たちと、爽やかな高原の空気を吸いに出かけよう。お菓子などを車に積み込んで、「いざ出発」と言うところでアクシデントが!

玄関の鍵を閉めようとしていた私のところに孫が大笑いをしながら「大変、窓が割れた」とやってきた。運転席のドアの窓が動かなくなったという。パワーウィンドゥの窓がちょうど真ん中で止まったきり、ウンともスンとも言わなくなってしまった。このままでは山道も高速道路も走れない。急遽、夫は車の修理に、私たちは電車で行くことができる空気の良いところに・・・ということになった。

小諸懐古園には何回か出かけたことがあるが、娘はまだ小学生の頃に行ったきり。今回やってきた孫は行ったことがない。駅から近いし、高台から千曲川を見下ろしてくるのも良いだろうと、出発。長野駅からしなの鉄道で小諸駅まで、鉄ちゃんの夫がいないのに、乗り鉄旅とは・・・。娘は「鉄子と言うほどではないけれど、鉄道は好きだよ」と、隣の線路に止まっている珍しい貨車などを見て喜んでいる。

photo:懐古園三の門むかし今
懐古園三の門むかし今

小諸駅から跨線橋を越えて、懐古園三の門にいく。まだ寒い季節に、今回出かけてきた孫の兄と一緒に訪れたのが最も最近の訪問だと話しながら向かったが、あれからもすでに6年経過している。本当に月日の経つのが早く感じるようになった。

photo:魅力的な石垣がいっぱい:懐古園
魅力的な石垣がいっぱい

photo:石垣がたくさん:懐古園
石垣がたくさん

photo:天守閣跡の石垣:懐古園
天守閣跡の石垣 2018.3.19

三の門入り口で入場券を買って、まずは天守閣跡に行ってみようか。三の門の標高は659mあるそうだ。天守閣跡はここから緩やかに登っていく。石垣が残っているだけだけれど、見下ろせば足がすくむ。標高は663mほど。冬に来た時はほとんど人もいなく、石垣の上から顔を出す夫と孫を下から撮影した。

photo:天守閣跡:懐古園
天守閣跡

季節は変わってもやっぱり高い。高いところが苦手な孫は「ヒェ〜、結構高いね」と言いながら、少し内側から石垣を見下ろしている。娘の方は端まで行って「イェ〜イ」などと笑っている。手すりなどは一切ないので、気をつけて歩く。石垣の淵にはヤマホタルブクロが風に揺れている。他の花があまりない季節に大きな紫色の花が揺れているのを見ると嬉しくなる。

photo:ヤマホタルブクロ:懐古園
ヤマホタルブクロ

photo:欅の大木 2018.3.19:懐古園
欅の大木 2018.3.19

下に降りると、太い木がずんとそびえている。欅の大木だ。足元にはコモロスミレの葉がたくさん残っている。もちろん花は終わってしまっているが。

photo:槻は大きくなったかな:懐古園
欅は大きくなったかな

懐古園というと、トンボがいっぱい飛び交っていたことを思い出す。子供達が中学生、小学生の時、ただ歩くだけでぶつかるように飛んでいるトンボ、指を出せばすぐ止まるトンボが嬉しくて、手を前に掲げながら歩いていた。トンボを指に止まらせながら見晴台に行って千曲川を見下ろしていた。

photo:指先にトンボ:懐古園
指先にトンボが止まる 1989.8.16

島崎藤村の記念館をのぞいたり、千曲川を見下ろす高台の風に吹かれたりしたあとは隣接の小山敬三美術館に足を伸ばそう。絵が好きな娘もさすがに小学生の時に見た絵を覚えてはいないだろう。豪快なタッチで浅間山などを描いた敬三の絵を私は結構気に入っている。たくさんの溶岩を展示した中を歩いていくと、つきあたりからは千曲川が見下ろせる。「さっきの展望台よりよく見えるよ」などと先に行った孫が呼んでいる。確かに展望が広い。そして、ここには三角点があるのだった。四等三角点「小諸」の標高は648.50mとあった。

photo:千曲川を見下ろす:懐古園
千曲川を見下ろす

photo:こんなところに三角点:懐古園
こんなところに三角点

photo:見晴らしの良い小山敬三美術館:懐古園
見晴らしの良い小山敬三美術館

スケッチ展をしていた美術館を一回りする。浅間山などを描いた絵も展示してある。スケッチはどちらかというと荒いデッサンに見えるが、ここからあの色とラインを再生して白い画布に描き出すのかと感心してしまう。

photo:石垣に群生するユキノシタ:小諸懐古園
石垣に群生するユキノシタ

美術館を一回りして、再び小諸懐古園の石垣の間を歩いて駅に向かう。ユキノシタがみごとな造形美で群生している石垣を見上げながら、ゆっくり歩く。お昼を食べないまま歩いていたのでお腹が空いてきた。駅周辺に行けば何か食べるところもあるだろう。今日は突然のアクシデントで乗り鉄旅になったが、思い出す小諸懐古園訪問はいつも電車の旅だった。長岡駅から信越本線でやってきたこともあった。上野駅から最後の特急あさまに乗ってきた時の帰りは小海線で小淵沢駅に出た。そして今は長野駅から、しなの鉄道で。軽井沢へ寄り道した時もあったけれど、今日は駅周辺でお腹を満たしたら、夫が待つ長野駅へまっすぐ帰ろう。帰ったら孫に昔の写真を見せてあげよう・・・。

photo:乗り鉄旅で小諸へ:小諸懐古園
乗り鉄旅で小諸へ

photo:コスモス:小諸懐古園
花の季節に 1997.8.26

photo:小諸へはいつも乗り鉄旅:小諸懐古園
小諸へはいつも乗り鉄旅

次はいつになるか、また違う季節の違う花が咲く時に来ることができるだろうか。




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