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活動を始めた粘菌と地附山 733m(長野県)

2024年6月10日(月)
参考日 1日(土)6日(木)7日(金)


6月に入ったが朝晩の気温が低い日が続いている。だが日中はかなり気温が上がる日もあり、そろそろ地附山にも粘菌が動き出すのではないだろうか。初夏の山には木の実などのお楽しみもあり、時間が許せば毎日でも訪れてみたい。 とにかくまずはサイハイランを見に行こう。5月にはまだ蕾だったが、きっと開いているだろう。そして、サルナシの花にも会いたい。

photo:マメホコリ.マンジュウドロホコリ,マツノスミホコリ:地附山
粘菌が動き出した 6.1

photo:ミヤマナルコユリ:地附山
ミヤマナルコユリ 6.1

1日、月曜日、まずは六号古墳の周辺を見ながら歩く。この辺りを「粘菌通り」と呼ぶのは私たちとイケさんだった。冬を越えてから、何度も木の下をのぞきこみながら歩いたけれど、粘菌の活動は見られなかった。だが、ついに発見。ようやく粘菌にとって動きやすい季節到来か。

目的のサイハイランは下の方から開いてきたが、まだこれからか。サルナシは蕾が膨らんでいる。

photo:枝を払いながら歩く:地附山
枝を払いながら歩く 6.1

photo:枝を払いながら歩く:地附山
クマンバチが飛ぶ地附山山頂 6.1

粘菌を見つけて気を良くした私たちは、道のない藪の中を歩いてみた。地附山山頂下の森には大岩が転がっていて、旗立岩の岩と似ている。

山頂稜線に出ると、タンナサワフタギやナツハゼが咲いている。年々開花時期が早まっているような気がするのは気のせいだろうか。

photo:開花が早いナツハゼ:地附山
ナツハゼも開花が早い 6.1


少し日を置いて6日、粘菌の変化を見に出かけた。夫は用があったので、一人で歩いてくる。目的のサイハイランはずいぶん開花が進んで嬉しくなる。サルナシがようやく開いてきた。一人で歩いていると道端の小さな花たちが話し相手になる。ハコベの仲間は似たものが多くて、ふだんは横目で見て通り過ぎているが、こんな日はじっくり見る。花柱が5本に分かれているウシハコベを見つけた。そして、夫が喜びそうな粘菌の写真も撮ってお土産とする。

サルナシとサイハイラン 6.6

photo:サルナシ:地附山
サルナシ

photo:サイハイラン:地附山
サイハイラン

photo:サイハイラン:地附山
サイハイラン

photo:サイハイラン:地附山
サイハイラン

photo:ウシハコベ,ウマノミツバ,コナスビ,オオヤマフスマ:地附山
目立たない花たちと 6.6


photo:マメガキ雄花:地附山
マメガキ雄花 6.7

翌7日はうずうずしていた夫と一緒に再び粘菌観察に。木の実が熟れて美味しい季節だ。見上げながらいくと、ピンクの花が目に入った。これは何だ。壺型の花はナツハゼによく似ているが、枝に直接花が咲いているこれはマメガキの雄花らしい。

あちこちの倒木に赤いつぷつぷが広がっている。粘菌の未熟子実体だ。だが、この後の変化を見ないとどんな粘菌になるかわからない。「またこなくちゃね〜」と、顔を見合わせて苦笑い。

photo:マガタマハンミョウ:地附山
マガタマハンミョウ 6.7

足元にササッと動くものがある。「あ、イケさんだ」と私。夫が「あ〜あ、イケさん、とうとう虫にされちゃった」。「イケさんが好きだったマガタマハンミョウだ、を略して言ったんだよ」、二人で大笑い。(この日、粘菌の写真をイケさんのご家族に送り、思い出話をしてしまった)。

粘菌の写真をいっぱい撮っていそいそ帰り道、山道にガサッと動くものが。今度は何だ。青大将、1メートル以上は十分ある。斜面を登ったが、隠れるところがないと見たか、ぐるぐるととぐろを巻き始めた。可愛い目をしているのに、こちらを威嚇する様子。パチリと1枚シャッターを押してから、「もういいよ。脅かしてごめんね」と歩き始める。

photo:大きなアオダイショウ:地附山
大きなアオダイショウ 6.7

山の恵みを味わう 6.7

photo:ソメイヨシノ:地附山
ソメイヨシノ

photo:モミジイチゴ:地附山
モミジイチゴ

photo:ミヤマウグイスカグラ:地附山
ミヤマウグイスカグラ

photo:ヤマグワ:地附山
ヤマグワ

photo:赤い未熟子実体:地附山
どんなふうに変わるのか

粘菌が動き出したから、変化の様子を見に行きたい。倒木に赤いペンキをかけたような未熟子実体はそのままでは正体がわからないからだ。油断しているとすぐ茶色になって倒木の色に紛れてしまう。

毎日行くのが良いのだろうが、そうもいかないのが凡人の生活。ようやく時間を見つけて、10日、車で公園まで登る。先日粘菌を見つけたところへいそいそと歩く。やっぱり、赤い色は随分見えなくなっている。よくよく覗き込むと薄茶色のふわふわした毛糸のようなものが揺れている。これはきっとウツボホコリの仲間だね。赤紫のぷつぷつはなんだろう。黄色いのはキフシススホコリかな。マメホコリはわかる、半透明の白いツノホコリの仲間もわかる。

photo:ツノホコリなどの粘菌:地附山
粘菌が活動し始めた 6.10

名前を呼び、指折り数えながら行くと、「あれは?」夫が指差す先にもじゃもじゃの茶色い毛糸のような・・・ムラサキホコリだ。一気にたくさん顔を出しているムラサキホコリの仲間は、木の葉の上にも出ている。漆黒に光るものや薄茶色にふわふわしているもの、数本が仲良くくっついているものと様々だ。

photo:ムラサキホコリの仲間たち:地附山
ムラサキホコリの仲間たち 6.10

嬉しくなっていっぱい撮影をしていたら、あっという間に時間が経っている。先へ進んでサイハイランを見てから帰ろうか。先日は半分くらい開いていたサイハイランの花穂は満開だった。「綺麗だね、来年もまた咲いてね」と声をかけてから、遅いお昼を食べに帰ることにした。

満開になったサイハイラン

photo:サイハイラン:地附山

photo:サイハイラン:地附山

photo:サイハイラン:地附山

photo:サイハイラン:地附山

photo:ジンヨウイチヤクソウ,ウツボグサ,ヤマホタルブクロ:地附山
夏の花が咲き出した 6.10




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