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乗り鉄登山の扇山 1138m(山梨県)

2006年 11月3日(金)2023.11記


働いている頃は日々忙しく、時間がもったいなくて車での移動が多かったが、時々電車で行くのんびり旅も試みた。まず電車の駅から登ることができそうな沿線の山を探し、我が家からどの線で行けば良いかを考えてから、登山のコース地図を見る。日帰りという条件なので、乗り鉄で登山をするのは丹沢や多摩、武蔵などの低山が多かった。

map:奥秩父と周辺の山々
奥秩父と周辺の山々

photo:当時の中央線電車:扇山
撮り鉄も楽しんで

photo:鳥沢駅にて:扇山
鳥沢駅にて

扇山を見つけたのは夫、横浜線と中央線で鳥沢駅まで行く。家を出たのは7時半。八王子で乗り換えて、着いた鳥沢駅は小さな駅だった。そこからタクシーで梨の木平まであがる。ちょっと贅沢な旅だが、歩き始めた時は11時を過ぎていたから、タクシーがありがたい。乗り鉄旅の良いところは二人並んで車窓からの風景を楽しむことができること。そして乗り換え駅のホームでは撮り鉄も楽しむことができる。

map:扇山

と言っても主にそれは夫の楽しみ。山を歩き出すと私の楽しみが始まる。扇山へ行ったのは秋も終わり頃だったから、花を見る楽しみには遅かったけれど、リンドウやヤクシソウが待っていてくれた。サラシナショウマもまだ白い花を残していた。

photo:サワガニ:扇山
サワガニ落ち葉の中にもぐった

photo:サラシナショウマ:扇山
花の終わりサラシナショウマ

山道を歩き出すとササっと動くものがいる。サワガニだ。純淡水性のカニ、山道でよく見かける。湿ったところであれば街の中でも見ることができるカニだ。私たちの足音に驚いたのか、サワガニは慌てて杉の落ち葉の下に潜って行った。落ち葉の下は湿っているのかな。民話の『さるかに合戦』は有名だが、主人公のカニはこのサワガニだそうだ。

photo:落ち葉:扇山
いろいろな落ち葉がある

photo:黄葉:扇山
黄葉も綺麗だ

1時間ちょっと歩いて大久保のコルへ出る。ここから左へは大久保山を越えて百蔵山へ道が続いている。私たちは右の扇山へ進む。うまくすれば百蔵山と縦走できるかな〜なんて思って来たけれど、タクシーを使っても歩き始めが11時過ぎではちょっと腰が引ける。私たちは山の空気を楽しみに来たので、頑張って体力をつけるために来たのではない。百蔵山はまたの機会にして、今日は扇山をたっぷり楽しめば良い。

photo:分岐点:扇山
どっちへ行こうかな

photo:雑木林:扇山
雑木林に光が踊る

時々青空が広がるが、秋にしては雲が多い。雲に隠れたり陽に照らされたりする森の中、落ち葉が積もった道を歩くのは気持ちが良い。

分岐点を過ぎれば山頂はすぐそこ。10分も歩けば視界が開ける。扇山山頂は大月市になるらしい、大月市の看板が立っていた。ここ扇山の山頂は秀麗富嶽十二景の6番目になるらしい。残念ながらぼんやりとヴェールに覆われた視界、微かに富士の山容がそこらしいと思われる青い影が見えるだけ。

photo:晴れていれば富士山が:扇山
晴れていれば…

photo:扇山山頂で
扇山山頂で

私たちは事前調査を念入りにしなかったので、もっと寂れた里山かと思っていたが、思ったより人が多いので驚いた。それほど広くない山頂にはそこここでくつろぐ人たちがいる。もしかしたら、秀麗な富士を見ようと思って登って来たのかもしれない。

photo:大きな山頂標示があった:扇山
大きな山頂標示があった

photo:マムシグサの実:扇山
マムシグサの実は目立つ

『山梨百名山』の標柱があったので、二人で記念撮影をした。そして見回すと大きな扇山の文字が見えた。ゴミを持ち帰りましょうという大月市の看板だ。よほどゴミ問題に苦労しているのか、ゴミに関する落書きや、看板がいくつも目に入った。大きな「ゴミを持ち帰りましょう」と書いてある看板で撮った写真はまるで自分たちがゴミになったようで笑える。

photo:鳥沢駅方面:扇山
町を見下ろす

photo:休憩:扇山
午後の陽を浴びて休憩

山頂で男性がキノコを見せてくれた。この辺りの山はキノコの山としても知られているようだ。男性が収穫していたオレンジ色の大きなカサのキノコは「アカモミタケ」と言うそうだ。キノコと言えばシイタケ、シメジ、エノキ、ナメコなど販売されているキノコしか知らなかったから、珍しいオレンジ色のキノコにびっくりしたものだ。

photo:鳥沢駅方面:扇山
広い稜線は気持ちがいいね

photo:休憩:扇山
明るい森

山頂でたっぷり遊んでから来た道を下った。帰りは1時間ほどかけて鳥沢駅まで歩いた。電車に乗ろうとしたら、横浜線が不通というアナウンス。立川まで行ったところで再開したとのことなので、再び八王子に戻った。八王子からは来た時と同じルートで帰り、家に着いたのは夜の7時になろうとする頃だった。




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