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403 皆神山 659mに住むARE(長野県)

2023年 9月13日(水)


photo:神宮球場20230903
スポーツ観戦も楽しみな孫たち

孫がやってきた。大学のゼミ研修の場所が長野県だったので、それに合わせてアルバイトの休みを取ってきたそうだ。ちょうどプロ野球のセ・リーグの優勝が決まりそうだと、毎日我が家のテレビが珍しく野球中継を放映した。高校まで野球をやっていた孫は阪神タイガースの大ファン、連勝を見ながら大喜び。余談だが、この翌日阪神タイガースは18年ぶりのセ・リーグ優勝(ARE)を決めた。

photo:山頂の皆神神社神門:皆神山
山頂の皆神神社 神門

photo:お参り:皆神山
まずはお参り

さて、野球は夕方からだから、昼はみんなで出かけよう。高い山は雲の帽子をかぶっているから、皆神山へ行ってみようと言ったのは夫。ネット検索するとさまざまな情報が出てくる皆神山、パワースポットだそうだから、学生仲間との話題作りにもなるかもしれない。

photo:マツヨイグサ:皆神山
マツヨイグサ

麓に駐車場が見つけられないので、山頂まで車で登る。そこから周辺を散策するコース。ゼミ研修に参加する予定の孫は街歩きスタイルだから、ちょうどいいかもしれない。

まずは皆神神社にお参りしよう。熊野出速雄(くまのいづはやお)神社の本殿は修験道の中世の遺構、現存するのは数少ないという。この妻入り形式の神社は15世紀末から16世紀前期にかけて建てられたと伝えられている。

境内には大小いくつかの神社がある。山道を登っていくと最後に小さな社殿が立っているが、それぞれの神社の集合を「皆神神社」と呼ぶらしい。最初にある正面の大きな社殿は侍従神社だそう。

神門には弓矢を持ち、束帯をまとった像が座っている。ちょっと優しそうな顔をしたこの二人は左大臣と右大臣だと書いてあったような気がするが、あまり守神様の雰囲気ではない。

photo:池のウキクサ:皆神山
ウキクサの明るい緑

それより、入り口脇にある小さな池が神秘的だ。池はいくつかあるがどれも小さなウキクサに覆われて、その葉が太陽光を受けて緑色に光っている。ここにはクロサンショウウオが生息するそうだ。小さなウキクサの葉が綺麗なので近づいていったら、ポチャンと音がした。ウキクサが割れて黒い水色が出るが、わずかに波の広がりを見せてまた緑に覆われる。「あ、あれはきっとカエル」「ずいぶん大きかったんじゃない」などと話していると、またボチャン。今度は近い。

足を止めて池の周囲を見回す。「いた」と孫。「あれ」と指差す先には置物のように座っている大きな緑色のカエル。見えている姿は長さ15cmくらいある。「大きい!」「グロテスク」勝手なことを言っていると、そのカエルも悠然と池に飛び込んだ。バシャン。この池は小さいけれど、水深はかなり深いと看板に書いてあった。皆神山にはこのような不思議なことがいくつかあるらしい。

photo:トウキョウダルマガエルか:皆神山
トウキョウダルマガエルらしい

photo:ユーモラスなカエル:皆神山
どこかユーモラス

photo:いけの辺りのカッパさん:皆神山
カッパさんもいた

これまた余談になるが、カエルがとても苦手な友人がいる。それを知っている孫が「この大きなカエルの写真を撮って送ってあげたら」とニヤリ。「そんなことをしたら卒倒しちゃうよ」などとジョークを言いながら、池を見る。カエルは大好きな人と大嫌いという人に分かれるような気がする。家に遊びに来た友人の子供は庭のアマガエルを興味津々で眺め、そっと触って喜んでいた。

photo:カエルさんに触る:皆神山
カエルさんに触る 2023.5.3

photo:クズの壁ができている:皆神山
クズの壁ができている

ここ皆神神社の大ガエル、トノサマガエルかと思ったが、腹にも模様が見えるし、座った時の後ろ足の先が後ろに下がっているので、これはトウキョウダルマガエルだろうか。

さて、お参りを済ませて、今度は山道を少し歩こう。ツマグロヒョウモンやジャノメチョウが盛んに舞っている。草が刈ってある斜面は歩きやすくなっている。以前来た時は妙高山が見えたけれど、今日は雲に隠れている。近くのノロシ山が綺麗な三角に見えて、その右奥に長野の町が霞んで見えている。森にはクズが一面にツルを伸ばし、数本の木に絡みついて緑のモンスターができている。周辺には濃い紫のクズの花からの香りが濃厚だ。

photo:神社周辺を散策:皆神山
神社周辺を散策

photo:皆神山のてっぺんで:皆神山
皆神山のてっぺんで

ツユクサの青、ヨメナの薄紫、キンミズヒキやヤクシソウの黄色、オトコエシの白、色とりどりの花の中を歩く。ヨウシュヤマゴボウの赤い茎が目を引く。黒い実を潰すと綺麗な桃色水ができるが、洋服などにつくとただのシミになってしまう。

photo:ヨウシュヤマゴボウ花から実へ:皆神山
ヨウシュヤマゴボウ花から実へ

photo:ヨウシュヤマゴボウの実:皆神山
ヨウシュヤマゴボウの実

一度庭に生えたので、花を見てから抜いた。思ったとおり根がしっかりと長く、ゴボウのようだった。こちらは毒があるので食べられない。ただ、黒い実には毒性が少ないのか、鳥の好物だそうだ。そしてこれを食べた鳥があちこちでフンをするので、ヨウシュヤマゴボウは色々なところに繁殖していく。

大きな葉と赤い茎が曲がりながら広がっている姿はちょっと異様だが、今頃の季節には薄緑の花と緑の綺麗な実と、黒く熟した実が同時に見られる。そして実が落ちたあとが赤い花のようになっていて、それもまた可愛らしいのだ。

photo:白いアマガエル:皆神山
白いアマガエル

photo:木のトンネル:皆神山
木のトンネルだ

大きな木にトンネルができている、近寄ると白い小さなアマガエルがいて、それを見た孫がポツリと一言「このくらいの大きさがいいな」。




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