昨日も行ってきた。夜になって、「明日もう一回行こう」と宣言したのは夫。19日、朝起きたら、もうおにぎりが作ってあった。
昨日ルリホコリらしい粘菌を見つけたのだが、白くカビがついてしまっていたからはっきり見えなかった。しかし、家に帰って写真をズームインしてみると、どうやら本当にルリホコリらしい。今度はしっかりと見てみたいと言う夫、そしてあわよくば、まだカビにつかれていないルリホコリが見つかるのではないかと期待しているようだ。
青空が広がる中、斎場山へ向かう。途中、犀川を渡る橋からアルプスが綺麗に見える。妻女山の展望台からも期待できそうだ。雪が全くない道を登り、妻女山の駐車場に着く。昨日は我が家の車だけだったが、今日は先客が一台停まっている。展望台に向かって大きな望遠レンズをつけたカメラを持った男性が歩いている。私も早速展望台に上がる。だが、山の中腹から上に雲が漂っていて、山頂稜線が見えないではないか。それでもカメラを構えるのは、チャンスの女神に後ろ髪がないから・・・かな。
話は前後するが、帰りにもう一度展望台に寄った時には青空の下に輝くアルプスが見えた。
18日木曜は粘菌を探しに行こうと言って出かけた。お煎餅を持って行ったのだが、寒い風が吹いていたので、山の上でおやつを食べる気になれず、帰ってきた。お天気は悪くなかったけれど、風の冷たさがこたえた。だが、雪は全くなく、落ち葉を踏むと霜がシャリシャリと崩れる音がするくらい。とても1月後半の寒中とは思えない。
頭の上にはカラの混群が賑やかに囀っている。ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、そしてコゲラも混ざっている。斎場山の山頂に挨拶してから、ゆっくり陣場平に向かった。途中の倒木の下を覗きながら、ゆっくり歩く。冷たい風が吹く山道を歩くもの好きは私たちだけのようだ。
雪が溶けた後に出るという粘菌ルリホコリを見たいと思っていたが、なかなか見つからない。季節的にはまだ少し早いのだろう。これまでもいくつかの里山を歩いてみたが見つけられなかった。今年は雪が少ないからまだなのかもしれない。
ルリホコリは見つからなかったが、冬に活動するという他の粘菌はいくつか見つかった。倒木の重なっているその奥にこっそり生えている。マメホコリ、ヌカホコリ、ハチノスケホコリなどの姿だ。
そんな中で白くカビに覆われたのが、もしかしたらルリホコリかもしれないと、夫。翌日もう一度確かめに行こうと張り切って出かけたと言うわけ。
翌19日は斎場山から薬師山の方へ行ってみようと言う。前の日にカビで覆われていた粘菌をじっくり観察。まだあまりカビが膨らんでいないものがいくつか見える、ルリホコリに近いようだ。だが、期待していたほどにははっきり見えない。あまりに小さいうえ、白い埃のようにカビがまとわりついている。家の綿埃ならフーッと一吹きで飛んでいくのだけれど・・・。粘菌についたカビは飛んでいってくれない。
他の場所を探そうと、藪の斜面をそのまま登っていく。葉を落とした立木に掴まりながら登る。ノイバラが多いので棘に刺されないように気をつけて行こう。草木が生い茂っている季節は踏み入ることを躊躇するような藪も、この季節なら歩くことができる。多少の擦り傷は覚悟の上だが、粘菌に会える確率も高い。マメホコリは黒くなって、触ると綺麗なピンク色の胞子を飛ばす。ふわふわした大きな塊はマンジュウドロホコリのようだが、わからない。近くには下半分が崩れて胞子のような粉を飛ばしているものもある。やっぱり粘菌かな。
薬師山に続く稜線は落ち葉が積もってふかふかだ。日当たりがよく乾いているからか、ここでは粘菌はあまり見つからなかったけれど、キノコや虫こぶなどがたくさんある。小さな生き物が豊富だから小鳥も多いのだろう。大きなコウヤクタケが張り付いている立ち枯れの木があったので、近寄ってみたら、コウヤクタケと一体化した小さな昆虫のような形のものがあった。なんだろう。虫が死んで、コウヤクタケの菌に覆われてしまったのだろうか。
足が埋もれるほどの落ち葉の道を薬師山まで往復して気持ち良い陽だまりでおにぎりを食べる。これが冬の陽だまりハイクの醍醐味かもしれない。
最後に妻女山展望台から真っ白いアルプスを眺めて、帰途についた。