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何度でも地附山 733mへ(長野県)

2022年7月17日(日)


感染力の強いコロナの第7波とやらが広がっているという。一体何波まで続くのやら・・・ようやくちょっと落ち着いてきたかと思ったのはつい先日だったのに。

photo:オオバジャノヒゲ:地附山
オオバジャノヒゲ

私たちのように高齢になって、日々の勤めの心配をしなくてもよい者はまだいいが、学校に勤務にと気がせく若者たちは大変だろう。と言ってもできることはない。

静かに裏山を歩いて祈るしかないか・・・。


飯綱高原の一の鳥居苑地に桔梗が咲き出したのを見てきたので、裏山の桔梗も咲いているのではないかと、行ってみることにした。桔梗は駒弓神社からのコースに多い。湿っぽい空気の中、車道を歩くのは嫌だと神社の登山口まで車で登る。だんだん、楽をするのが上手くなってきたのは年を重ねたからか・・・。とはいうものの、確かに車道を汗だくになって登るより、気持ち良く山道に入れば足が軽い。

photo:モミジイチゴ,ニガイチゴ,ヘビイチゴ:地附山
地附山のイチゴたち

歩き始めると赤い木苺の実がたくさん光っている。オレンジ色のモミジイチゴの木はあちこちの登山道にたくさんあるが、赤い実は少ない。これはニガイチゴかなぁ。

ヘビイチゴはたくさん咲いていて、その実は大きくてなんだか美味しそうに見えるけれど、味がない。味も素っ気もないとはこのことかというくらい味がしない。齧ってみたのがバレちゃうけれど・・・。

photo:ニガイチゴかな:地附山
ニガイチゴかな

桔梗やワレモコウがたくさん芽吹いている道にさしかかったけれど、残念ながらまだ小さな蕾だ。たくさん蕾があるから、咲けばきれいだろう。楽しみにしよう。

ギボウシの蕾もたくさんあるねと言いながらパワーポイントに向かう。賑やかな声がすると思いながらパワーポイントに出ると、木のベンチに何人かの女性が座って楽しそうだ。でも、その脇に立っているのは、イケさんじゃない?

photo:ツユクサの花2種類:地附山
ツユクサの花2種類

photo:パワーポイントでバッタリ会う:地附山
パワーポイントでバッタリ

やっぱりイケさんだ。「こんにちは」と言いながら近づくと、イケさんもニコニコしながらやってくる。今日は愛護会仲間の女性たちと一緒に登ってきたらしい。今はあまり花がない時期だねと言いながらも、それぞれが見てきた花の情報を交換する。なんだかいいなぁ。山で会えた時だけの話仲間なのだけれど、とても自然に会話が弾む。

photo:名称不明小さな花:地附山
小さな花

photo:ツノハシバミ実:地附山
ツノハシバミ実

しばらくイケさんと話し込んでいる間に女性陣は一足お先に歩いていますと出発して行った。それからさらにちょっぴり話をしてから、イケさんは彼女たちの後を追いかけて行った。

私たちは、春に花が咲くのを楽しんだツノハシバミの木の実を探したり、ダンコウバイの実が膨らんできたのを見つけたりしながらのんびり登っていく。

photo:サジガンクビソウ:地附山
サジガンクビソウ

photo:シラヤマギク:地附山
シラヤマギク

photo:ギボウシ:地附山
ギボウシ

photo:タカトウダイ:地附山
タカトウダイ

静かな彩

photo:地附山山頂で
地附山山頂で

photo:モウセンゴケ群生地で,モウセンゴケ実:地附山
モウセンゴケ群生地で

山頂には誰もいなかった。モウセンゴケ群生地まで行ってみようか。稜線を歩いていくと、またもや賑やかな話し声が・・・、やっぱりイケさんのグループだ。モウセンゴケの花はほとんど終わって小さな実になっている。カキランが最後の花を咲かせている。周囲にはセンブリの芽が伸びてきて、花の季節が楽しみだ。

電車を見る人と・・・
photo:JR長野車両C,カナビキソウ,オオシロヒメシャク仲間,二つ星テントウ:地附山

ここでイケさんとちょっぴり話した後、ゆっくりおやつタイムを楽しんでいる彼らと分かれて、旗立岩に向かう。夫の目当ての車両センターを見下ろしてから先へ行こう。この辺りの草原にはウツボグサやノギラン、カナビキソウが咲く。オオバノトンボソウもたくさんある。ところが今年は一時日照りが続いたからか、トンボソウの花穂が黒くなって折れているのが多い。いや、ほとんどの株が花穂を伸ばせない状態で黒くなっている。そんな中、わずかな花を探して目を凝らす。

photo:先が黒くなってしまったトンボソウ:地附山
先が黒くなってしまった

シロシタホタルガの幼虫がたくさんいたタンナサワフタギの木が実をつけるのを楽しみにしているのだが、枝の先を見ても実らしいものが見えない。花も実もみんな食べ尽くされたのだろうか。

photo:シロシタホタルガ:地附山
シロシタホタルガ

photo:触角をぐるぐる回すシロシタホタルガ,その幼虫:地附山
触角をぐるぐる回す

「あ」と、夫の足が止まる。目の前の木の葉にシロシタホタルガがいる。太い触角をグルリグルリと回している。両方の触覚をそれぞれ違う回転軸で回しているのがすごい。止まった。止まった触覚は太くて櫛のように切れ目が入っている。二人でじっと見ているが、ホタルガは動かない。

photo:キリの葉大きいね:地附山
キリの葉大きいね

photo:プルーンがいっぱい落ちてる:地附山
プルーンがいっぱい落ちてる

「イケさんが成虫を見たいって言っていたけれど、もう見つけたかな。教えてあげたいね」「でもその間に飛んでいっちゃうよ」などと話していたら、聞こえたかのようにふわりと飛んでいった。

帰りは公園を通って行こうか。大きなキリの木の葉は子供たちが小さい頃大きさ比べをして遊んだね。こんなに大きいけれど、もっともっと大きいのもあるね。最後の下りで、道路にいっぱい転がっているプルーンを発見。粒は小さいけれど、ちゃんとプルーンの味がする。

裏山はいつ行っても楽しみが尽きない。

(写真掲載の了解を得ています)




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