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展望を求めて聖山(ひじりやま) 1447mへ(長野県)

2017年11月7日(火)


長野に引っ越してくる前、中央道を松本から長野に向かうと、長いトンネルとトンネルの間の麻績(おみ)インターの辺りで、左前方に大きく横たわる山が見えてくる。その雄大な姿を見て、長野生まれの夫に「あれは?」とたずねた。「聖山スキー場があるところだと思う」という答。どっしりと横たわる山容はなかなか存在感があった。

長野に引っ越してきた年、展望を楽しみに出かけた。長野での初めての夏を息子や娘の家族と賑やかに過ごし、仕事の後輩たちがやってきて楽しい時間を過ごした後の9月20日だった。秋の気配が濃い山頂からはほぼ360度の大展望で、北アルプスが近かった。

写真1キノコがいっぱい20130920
キノコがいっぱい 2013.9.20


もう一度大展望を間近に見ようと、天気予報の晴れマークを待って出かけることにした。長野自動車道を麻績インターで下り、戻る感じでR403を山中に入っていく。一回通っているので思い出しながら行く。

写真2聖湖の釣り人20130920
聖湖の釣り人 2013.9.20

少し開けると、右に大きな湖が見える、聖湖。前回は下山後に湖のほとりを散策した。秋も終わりだったからか、釣り人がいるだけで寂しい雰囲気だった。ここを左に折れてさらに登っていく。別荘地になっていて、森の中に点々とかわいい建物が見える。途中に歴史を感じさせる『かくれくぼ』の丸い看板が崖側に立っている。昔、上杉、武田の争いの頃、麻績城主がV字渓谷を利用して伏兵を隠しておいた所なのだそうだ。一気に深く切れ落ちている谷だが、こんな所に隠れていた兵士は大変だったろうと思う。

写真3かくれくぼ20130920撮影
かくれくぼ 2013.9.20 撮影

さらに登ると勾配が緩やかになり、やがて登山口の三和峠に着く。足元を整えて出発。

木々はほとんど葉を落として、もう山は一足早い冬支度。さすがに花はないだろうけれど、まだキノコはあると思っていた。ところが、この季節はもうキノコすらほとんど見られない。

写真4三和峠は変わらない
三和峠は変わらない

写真5葉が落ちた明るい森
葉が落ちた明るい森

埋もれるような落ち葉を踏みながら歩いて行く。木の実も茶枯れているなかに、マムシグサの実がつややかな赤い色に光っている。

わずかな花と実が森を彩る

写真マムシグサ仲間実
マムシグサ仲間実

写真カンボク実
カンボク実

写真タムラソウ
タムラソウ

写真ウバユリ実
ウバユリ実

聖峠で右に『お種池コース』を分け、急坂をひと登りすると頂上だ。青空の下、素晴らしい展望が広がっている。北アルプス北部は目の前に白く大きい。槍、穂高は電波塔と木立の向こうに見え隠れしている。

写真7道標が新しくなった聖峠
道標が新しくなった聖峠

振り返れば、朝通って来た長野自動車道が山間を緩やかにカーブしていくのが見える。山に囲まれた里の風景が美しい。

写真11聖山山頂から麻績方面を見る
聖山山頂から麻績方面を見る

たった4年しか経っていないけれど、山頂の表示板は変わっていた。前回は小さな『聖山山頂』という板だった。自動シャッターで撮影したが、ベンチに置いて撮ったら後ろの北アルプスが写らなくて笑った。今回は大きな杭に大きな看板が取り付けてあった。三角点は同じ、もちろん?

写真10聖山山頂20130920
聖山山頂 2013.9.20

私たちはあっちへ行ったり、こっちへ来たり、しばらく山を眺めていた。立山連峰も、後ろ立山の稜線の向こうに白い頭がくっきりと浮かんでいる。白馬、立山は白さが際立っている。雪が多いのだろう。長野市からは見やすい鹿島槍ヶ岳もここからは一段と大きい。これから6月頃まで半年以上も山頂は雪の中だ。

写真12立山の山頂稜線が見える
立山の山頂稜線が見える

写真8鹿島槍ヶ岳
鹿島槍ヶ岳

写真9山頂より白馬三山
山頂より白馬三山

眺めていても飽きないのだが、お腹もすいたのでおにぎりを食べることにしよう。お種池分岐で出会った年配の男女もお弁当を広げている。彼らは三脚持参で、あちこちをバックに並んで撮影している。すごい。山肌がくっきり見える今日の展望を喜び、「良かったですね」と会話を交わす。

写真13北アルプスが目の前に20130920
北アルプスが目の前に 2013.9.20

写真14山頂の展望を楽しむ
山頂の展望を楽しむ

この季節、花は終わりだけれど、近くの里山の紅葉とアルプスの雪をかぶった姿を共に見ることができるので、なかなか良い季節とも言えるのだろう。

前に来た時は、まだ秋の花がたくさん咲いていた。サラシナショウマ、トリカブト、タムラソウ、アザミ、ツルリンドウやオヤマボクチなど。シュロソウの地味な花もあった。フシグロセンノウのきれいなオレンジもポツリとあった。

まだ秋の花が咲いていた 2013.9.20

写真フシグロセンノウ
フシグロセンノウ

写真サラシナショウマ
サラシナショウマ

写真オヤマボクチ
オヤマボクチ

写真アザミ仲間
アザミ仲間

「さすがに、花はもう咲いていないみたいだね」と言って、ふと展望表示板の下を見たら、1輪だけタムラソウがきれいなピンク色の花をつけて風に揺れていた。華やかだ。

私たちがおにぎりを食べている間に、男女は一足お先にと下っていった。私たちは二人だけの山頂をまたしばらく楽しんでから、ゆっくり来た道を車まで戻った。

写真16落葉した木々
落葉した木々

前回は再び高速道で長野まで戻ったが、今度は反対側へ回ってみようと、大岡方面へ走った。キャンプ場やホテルを過ぎるころまでは走りやすい道だった。ススキの穂が揺れ、その奥に紅葉の聖山斜面が見える。所々開かれていて、散策するのも気持ち良さそうだ。が、古くからの村の中に入ると、道は狭く曲がりくねっている。すれ違いもできない道をしばらく走って19号線に出た。

犀川沿いに走る19号線は水と紅葉がきれいな道だ。途中の道の駅で野菜を買って、あとは一気に我が家へ走った。




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