⬆︎Top 

23
雁田山(かりだやま) 787mは乗り鉄登山(長野県)

2017年5月3日(水)


地図・雁田山

長野の北東にある小布施町は、おいしい栗と葛飾北斎で有名な観光地、私たちも何度か訪れている。娘は歩道に木材が敷き詰められていることに感動し、「日本のあかり博物館」にも心惹かれたと言っていた。昨年秋に長野を訪ねてくれた友人夫婦とは、岩松院まで足を伸ばした。天井一面の、鳳凰の踊るような迫力と色彩の豊かさに圧倒されて外に出てきた私は、寺の脇に『〇〇登山口』という看板を見て、ここから山に登れるんだなぁと思ったのだが、その時は北斎に圧倒されていたので、山の名前をしっかり見てこなかった。

photo1思い出の小布施
思い出の小布施から
 娘と2015.8.13、友人と2016.9.28

その後調べたら、『雁田山(かりだやま)』という。岩松院から登って縦走し、また戻ってこられるという。時間も登り1時間半というから、のんびり旅ができる。小布施なら長野電鉄で行くのものんびりしていいんじゃないかと、晴れた空の下、出発した。

photo2リンゴの花と蕾
リンゴの花と蕾

善光寺下駅から各駅停車に乗って、小布施を通り過ぎる。一つ先の都住駅で降り、駅からリンゴ畑の中をのんびり歩き始める。小布施駅から歩くより近い。咲き始めたリンゴの花の中を10分ほども歩くと、見たことがある岩松院への道に出た。濃い赤の八重桜が覆いかぶさるように咲き競う大木の間を通って、登山道に取りつく。クサノオウが明るい黄色で彩り、シャガがツヤツヤした葉の間に白い花を散らし、道は賑やかだ。ヤマブキも斜面を黄色に染めている。

photo3岩松院の赤い桜とルリタテハ
岩松院の赤い桜とルリタテハ

木々の花

photoミヤマウグイスカグラ:雁田山
ミヤマウグイスカグラ

photoヤマツツジ:雁田山
ヤマツツジ

photoヤマブキ:雁田山
ヤマブキ

photoアケビ:雁田山
アケビ

のんきにしばらくのぼると、『小城』に到着。見晴らしのよい平らな頂上に、説明板が立っていた。少しかすんでいるけれど、北アルプスが見える。鹿島槍ケ岳、五竜岳は目の前。まだ真っ白に雪を抱いている。そして、遠くに槍ケ岳、穂高連峰までも見える。

春の花

photoアマドコロ:雁田山
アマドコロ

photoカタクリ:雁田山
カタクリ

photoヒメスミレか:雁田山
ヒメスミレか

photoクサノオ:雁田山
クサノオ

photo6大きな岩の間を登る:雁田山
大きな岩の間を登る

photo7稜線で:雁田山
稜線で

ずっと見ていても飽きないが、先を急ごう。大きな岩がゴロゴロしている間から木が生えている。その大きな岩の間を登っていくと、今度は『大城』。この城跡にはたくさんのフデリンドウがきれいな青色を散らしている。そしてここにも看板がある。『小城(物見城)と一体で苅田城と呼ばれる』『築城年代、位置、名称等解明されていない部分も多く、伝説に満ちた謎の城』とあり、周囲には空堀などもあるようだ。 それにしてもどうして『苅田城』が『雁田山』なのだろう。先日登った『旭山』には『朝日城』があったというが、どちらもなぜ変わったかはわからない。漢字は便利なようでややこしいね。

photo8フデリンドウ:雁田山
フデリンドウ

ここからは急な登りになる。よく整備されて、ロープが張ってあるので安心だが、「雨の日は歩きたくないね」と話しながら汗をかく。ヤマツツジがオレンジ色に花開いて、その枝の向こうに遠くの山桜が白くかすんでいる様は、まさしく春の山。時々小さなへこみが横切り、これが空堀かなと話しながら越えて行く。

photo9山頂「千僧坊」:雁田山
山頂「千僧坊」783m

岩ゴロ道をぐいぐい上ると、ツツジ台に出る。そしてあとは一気に山頂の千憎坊783mまで。山頂は林の中で展望はあまりよくない。ちょっと道が広くなったという雰囲気の山頂に、若い女性3人が座って休憩していた。その一人が「撮りましょうか」とシャッターを押してくれた。

photo10最高点滝ノ入城跡/屠屋場山:雁田山
最高点滝ノ入城跡(屠屋場山)787m

photo11鎖場を登る:雁田山
鎖場を登る

私たちも腰を下ろし、少し休憩をすることにした。持ってきた地図を広げると、千憎坊からもう一つ奥のピークが最高地点になるらしい。ここで休んでいると言う夫にリュックを託し、空身で行ってみることにした。道は緩やかな稜線で、すぐ次のピーク787mに着いた。滝ノ入城跡の標識が立っている。こちらもあまり展望はよくないので、三角点に触って戻る。10分ほどで往復してしまったので、夫がびっくりする。「すぐだったよ。平らな道だったしね。これなら一緒に行けたね」と言うと、まぁいいさと笑う。

photo12岩場を越えていく:雁田山
岩場を越えていく

photo13山と電車の写真を撮る:雁田山
山と電車の写真を撮る

ここからはいくつかのピークを越えて縦走路が続く。大きな岩の間を縫うような道が続くが、高低差はそれほど大きくないので、楽しみながら歩ける。道の両側の木々が茂っているので、展望はあまりよくないのが残念だ。それでも、所々開けているので、目の下に小布施の町を、遠くに善光寺平、そしてその上にそびえる北信五岳を楽しむ。

photo:雁田山からの大展望
北信五岳(左から)飯縄山、戸隠高妻山、黒姫山、妙高山、斑尾山 クリックで拡大

所々に開ける展望を楽しみながらの山歩きに、気分は上々。夫は展望が開けるたびに、山と電車の撮影に挑戦。「新幹線が通るといいんだけれど・・・」と言いながら、カメラを構えてしばらく待つが、なかなか通らない。でも長野電鉄は何度か通り、豆粒のような電車入りの写真撮影に成功?した。

photo14妙高山と長野電鉄:雁田山
妙高山と長野電鉄(右下)

photo16小布施駅前でお昼を食べて帰る:雁田山
小布施駅前でお昼を食べて帰る

姥石、東屋展望台、物見岩といくつかのピークを越えて最後の反射板跡地759mで三角点にタッチしたあとは下り。途中一面のカタクリは花がほぼ終わり、そこから急坂が続く。辷り山という名だけあって、ズルズル滑りそうな道。一歩一歩気をつけて下ると、ヤマブキに彩られた車道に出る。

都住駅まで歩くつもりだったが、浄光寺に着いたところにシャトルバスがやってきたので、これ幸と乗ってしまった。バスで小布施駅まで行って、再び電車の客になった。




  • Gold-ArtBox Home