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青空に誘われて大峰山 828mから葛山 812m、頼朝山 644m(長野県)

2021年4月15日(木)

map 大峰山,葛山,頼朝山

photo 伊勢社でヤマガラ(左)メジロ(右)
伊勢社でヤマガラ(左)メジロ(右)

大峰山の山頂にイワカガミを探しに出かけようと話していた。まだ早いかもしれないが、今年は花が急いでいるようだ。朝から真っ青な空が広がる。山日和だ。山靴を履いて家を出たのは9時になる10分ほど前。

まず地元の氏神さまの伊勢社に登る。満開の桜の木に小鳥がたくさん集まっている。ヤマガラ、メジロ、ウグイスなどその動きを見ているうちに時間が過ぎていく。家から歩き始めることができる裏山は気持ちにゆとりがあっていい。

photo イカリソウ・花岡平奥
イカリソウ

しばらく鳥を眺めてから花岡平に登る。ここからは山道に入る。今日の目的の一つはここ。昨年イカリソウの群落を見つけた。少し早いかとも思ったが、開いている。まだ蕾も多い群落が森の下に光っている。この自然の造形に感謝する。

物見岩から山頂までアカマツの伐採が進み、明るくなった。なんだか違う山に来たみたいだねと話しながら登る。光が入ると森の植物が変わるかもしれないね。大好きなオオバクロモジの花が無事開き始めているのが嬉しい。

photo オオバクロモジ・物見岩上の登山道
オオバクロモジ

オクチョウジザクラとミヤマウグイスカグラの花が揺れているが、さまざまな花の芽吹きはまだまだ。センボンヤリの蕾を見つけたが、かたく閉じている。春はこれからだね。先日新潟の里山に行ってきたが、春爛漫の花盛りだった。「こんなに違うのはなぜ?向こうは花盛りだけれど、まだ雪が積もっていたよ」と言うと、「長野は気温が低いんだよ」と夫。雪は積もらないけれど、山は凍るんだね。

さて、山頂にはお目当てのエンレイソウ、透き通るような純白のトキワイカリソウが咲き出している。目を皿のようにして周囲を探したけれどイワカガミは見つけられない。たった一度見たのが3年ほど前の5月初旬。今年は早いかと思ったけれど、まだだったのかな。また来ようね。三角点にタッチしてふと見ると、思わぬところにエンレイソウの群落。すごいね〜と大喜び。

photo エンレイソウの群落・大峰山
エンレイソウの群落発見

photo トキワイカリソウ・大峰山
トキワイカリソウ

暖かい空気に包まれて山頂でおやつを食べる。誰もいない、ひろ〜い空間でのんびり過ごす至福の時だ。


さて、帰ろうかと言いながら北西方面を見ると、青空にアルプスがくっきり浮かんでいる。だが、大峰山山頂周辺の林が濃く、アルプスは太い木々の隙間からしか見えない。「こんな日は葛山が良かったか・・・」「今から行こうか」「いや、今からだとちょっと遠いかな」などと話しながら、少しだけ北西の方へ歩いてみることにした。大峰山の肩まで車道が登っているから、その道を少しだけ歩いてみる。

photo 足元に,センボンヤリ,ショウジョウバカマ,スミレ,コシノカンアオイ・大峰山
足元に・・・

少し歩くと、木に道案内の看板が取り付けてある。『七まがり、かつら山へ』とある。こんなところに道があったね、これは行くしかないよね。森の中を下っていく道は私たちにとっては新発見だけれど、踏み跡が濃く、よく歩かれているようだ。

photo 木の花と蕾,ツゲ,アイダモ,ニワトコ,モミジイチゴ・大峰山、葛山
木の花、蕾

photo 葛山への道で出会ったネコさんと登山道
葛山への道で出会ったネコさん

グングン降りて戸隠に向かう車道に出ると、ここからは勝手知ったる道。「いつもの猫ちゃんまたいるかな」と私が言うのと、夫が「いた、ねこ」と声を上げるのとが同時。石垣の上の草に埋もれるように座っている。陽だまりで気持ちよさそうだ。座ったままでじーっと私たちが通り過ぎるのを目で追いかけている。

photo 五竜岳の武田菱が正面に・葛山
五竜岳の武田菱が正面に



葛山の山頂からは期待通り、アルプスが目の前に見える。昼近くなったので、少し霞がかってきたが、それでも嬉しい迫力でそびえている。

アルプスを眺め、おやつを食べてゆっくり休んだから、そろそろ帰ろうか。その前に・・・。大峰山への登り、最後の急登で夫の靴底が剥がれてしまった。右足の底がパックリ割れてワニさんの口みたいになったのだ。慌てて紐で応急処置をしてここまできたが、紐がずれてしまったので、ここでもう一度しっかり固定する。ここまでは一本の紐で縛っていたが、下りになるのでもう一本紐を使って補強、なんとか家まで帰れるだろう。

photo 靴底が剥がれた(応急処置)
靴底が剥がれた(応急処置)

頼朝山までの道はほぼ下りだけ。歩きやすい道だ。カラマツの落ち葉がフカフカしているところも多い。木の枝の上を小鳥が動いている。ホオジロかと思ったが、家に帰って調べたらカシラダカのようだ。頭のトサカが可愛い。


photo カシラダカ・頼朝山
カシラダカ

頼朝山への鞍部の林道まで降りたら、森林組合の車が停まっていて、チェーンソーの音が響いている。急斜面で伐採作業をしているようだ。大変な仕事だと思いながらも、体を動かして自然と一体化しての仕事は楽しいだろうとも思う。「体力がないとだめだね」「見合うだけの給料がもらえるといいのだけれど」などと話しながら、BGMにしては賑やかな音の中を下った。

photo 3山の裏山山頂で
裏山周遊

目の下には長野市街の西、旭山の裾を洗うように裾花川が碧色のラインを描いている。澄んだ景色に息を呑む。


青空に誘われて思わぬ周遊をしてしまったが、ぽかぽか陽気の山歩きは素晴らしい。ヤマブキが満開の黄色い世界を通り抜けて街へ戻った。

photo 澄んだ景色を撮る・頼朝山で
澄んだ景色を撮る

photo ヤマブキが満開・頼朝山
ヤマブキが満開




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