上野の東京文化会館でバレエ「くるみ割り人形」を観てきた。
以前神奈川に住んでいる時に、日本のバレエ団をできるだけ見て回ろうと考えて、「くるみ割り人形」を中心にいくつかのバレエ団の舞台を観た。日本のバレエを応援したい気持ちが大きかったからだったが、ロイヤルバレエ団やマリインスキーバレエ団の満足感に比べるとどこか不満足があったように思う。
2022年、東京バレエ団の長野公演で久しぶりに見た「くるみ割り人形」は、観ているうちに物語に引き込まれていた。舞台装置、音楽、そして舞台に乗っている一人一人が生き生きと動いている、とても素敵な「くるみ割り人形」だった。
東京バレエ団創立60周年記念シリーズ3斎藤友佳理芸術監督の改訂演出・振付による新版、2019年初演だそうだ。客席が舞台と一体化して劇場の空間が熱くなってくるような舞台構成に感動した。
2023年暮れ、今度は上野で生演奏での舞台だ。夫と私は楽しみに新幹線に乗った。そして期待通りの感動がそこに生まれた。夫は花のワルツの美しさに感動したと言い、これが本当のバレエだと呟いていた。
終演後、暗い楽屋口で、芸術監督と挨拶することができた。過去何度もその舞台を見て感動したプリマ友佳理さんがそこに笑顔でいるなんて信じられない。「ジゼル」も「オネーギン」も私の脳裏にくっきりと残っている。「一緒に写真を撮っていただけますか」と言うと、もちろんと笑顔。本物のスターはこうだよなぁ・・・と深い息をついた。 これからも日本のバレエ芸術のために活躍されますよう、ますますお元気で!