『乾杯はワインで』 〜出会い〜


バレエが縁で知り合った友人が増えてきた。

大好きなニーナさんのパーティに、縁あって参加することになったのは、長野に引っ越した年(2013年)の秋だったので、終了後は夜行バスという強行軍。それでも、私は嬉しくてふわふわしていた。

写真・乾杯はワインで・ニーナさん

待ちに待った開場、乾杯の音頭はニーナさん。係の人がニーナさんにビールグラスを渡している。ところが、ニーナさんはにこやかに「ジョージアでは乾杯はワインで行います」と言って、静止。待っているのだ、ワインを。それなのに・・・誰も動かない。私はついに自分の掲げていたワイングラスを持って走った。ニーナさんに渡す。笑顔で受け取ったニーナさん。ようやく「乾杯!」。会場に快いさざめきが広がっていく。その後の数時間のなんと濃い密度だったことだろう。私はひたすらニーナさんを見つめていた。

ニーナ・アナニアシヴィリ、世界有数のバレリーナ。ボリショイバレエ団プリンシパルだけでなく、アメリカンバレエシアターでも活躍しながら、祖国ジョージアの国立バレエ団芸術監督として現在も多忙な日々を送るダンサー。美しいだけでなく暖かい人柄に魅了される人は多いと聞く。

この日、私がニーナさんにワインを届けたのを見ていた人がいた。「大使館の人かなと思ったけど・・・」と笑う温かな笑顔のアズさんとその夫君。パーティが終わる頃にはすっかり打ち解けていた。


あれから6年、今では長野の我が家で宴会をするほどの素敵な友達だ。還暦を過ぎてなお出会いがあるという、忘我の幸せを教えてくれた、バレエ友人との出会いだった。




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