バレエと私
  いつも踊っていた・・・らしい


バレエのことを話そうとすれば、どうしても少女時代のことが欠かせない。

『マーガレット』『少女フレンド』などという少女マンガ月刊誌がゆっくりと人気を確保しつつあった頃、グラビアには少女バレリーナのかわいらしいポーズが踊っていた。キラキラ輝いて、腰から真横にふわっと広がったチュチュなど、田舎の子どもが見たこともない美しい衣装をまとって。


写真・小1『舌切り雀』
小1『舌切り雀』

私は小さい頃から踊りが大好きな子だった。3歳くらいの頃に地元の手踊りを覚えて、叔母さんたちに教えてあげていた・・・らしい。幼稚園ではいくつかの踊りを披露するために近隣の町の体育館(!)などに出かけた・・・らしい。

あまりに小さい頃のことは断片的な記憶が残っているだけだが、歌って踊っていればご機嫌だったことは覚えている。


そんな私がバレエの写真を目にした。これを踊ってみたいと思うのは必然だった。『バレエを習いたい』、けれど田舎のこと、バレエ教室などというものは無い。


今でも母は言う。『バレエを習いたいって言ったときはつらかった。先生は近くにいないし、費用もかかるし・・・』他に何かを要求することが無い子どもだったから、出来ればかなえてあげたいと思うのは親心。

親の心子知らず、自分で作った布のトウシューズや、スリッパを履いてつま先立ちして見よう見まねの踊りをしていた私は、親指の粘膜を怪我してしまった。




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