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204 思い出の菅平湿原 1248mへ(長野県)

2021年7月21日(水)

map:菅平湿原

photo:菅平遠望 重なったり離れたり・長野市から
菅平遠望 重なったり離れたり

我が家の2階から見える菅平高原は、雄大な山容がなだらかに裾野を広げている。方向によっては遠く離れた四阿山と根子岳だが、家からは重なって一つの山のように見える。菅平高原と言えばスポーツの山というイメージが強いかもしれない。夏のグラウンド競技には縁遠かったが、冬は何度もスキーに訪れた。まだ上信越自動車道が伸びていなかった頃は終点で降りて山を登ったものだ。小諸まで伸びた頃、一番たくさん通ったかもしれない。その後道路は延びて北陸道までつながったが、菅平高原はむしろ遠くなった。高速道路を降りてからの山道登りが長いから。

photo:菅平高原で昼寝、若かった
菅平高原で昼寝、若かった

photo:湿原は緑一色 高原はアズマギク・菅平高原
湿原は緑一色 高原はアズマギク

長野に引っ越してからは、近所の高台から菅平高原を眺めるのが楽しみになった。だが、軽井沢方面への通り道として走り抜けるばかりで、降り立つことはあまりなかった。

久しぶりに訪ねたのは、菅平湿原の様子を見たかったから。振り返ってみれば20年以上前に訪れたきりだった。志賀高原の奥を訪ねたあと、関東に帰る前に菅平高原で清々しい空気を思い切り吸って行こうと、再び山道を登った。美しい山道のドライブが楽しめる若さだったのを懐かしく思う。高原にはスズランやヒメイズイ、オキナグサ、アズマギクなどが一面に咲き乱れ、夫はその真ん中で大の字になって昼寝をしていた。その時立ち寄った湿原の記憶が薄かったので、もう一度行ってみようと話していた。

photo:満開のバイケイソウ・菅平高原
満開のバイケイソウ

photo:バイケイソウの花・菅平高原
バイケイソウの花

今回の目的地は菅平湿原。周囲には魅力的な山も高原もあるけれど、野暮用もあったので欲張らないことにした。菅平高原自然館の駐車場は広く、車は1台見えるのみ。入り口脇に屋根が落ちそうな水車小屋があり、標高1248mの看板が立っていた。脇から湿原に伸びる小道が続いている。湿原と言えば水芭蕉、巨大な葉が広がり中心に緑の実が見える。木道を進むとバイケイソウとオニシモツケが空に向かって穂を伸ばしている。メタカラコウも僅かに咲いているが、白い花が圧倒的に多い。だが、嬉しいことに湿原の奥に進むとシキンカラマツが紫の花を空に広げるように満開だ。アキアカネらしいトンボがそのてっぺんを我先にと奪い合っている。トンボは先端が好きだね。

photo:シキンカラマツにアキアカネ・菅平高原
シキンカラマツにアキアカネ

photo:シキンカラマツの花・菅平高原
シキンカラマツの花

菅平湿原には長野ではあまり見ることができないカラフトイバラが咲くそうだが、さすがに花期は終わっただろう。どんな木か見て行こうと木道の脇の茂みを見ながら歩く。カラコギカエデ、カンボクなどの最近覚えた樹木がたくさんある。湿原はどんどん狭められている感じだ。もう花の季節は終わり、若い実がたくさんついている。秋になれば赤くなる実も今は緑だ。

木の実

湿原は子供たちの学習の場にもなるのだろう、所々に質問を書いた板が立ち、樹木に名前がつけられている。カラフトイバラや、クロミサンザシなどは名札がなければ気づかずに通り過ぎてしまったかもしれない。

木の実と花と

しばらく木道を進むと、水の流れが大きくなり広い湿原らしいところに出た。水の流れの近くには小さな花が咲いている。木道に被さるように群落を作っているのはドクゼリだ。純白の花火のような美しい花だが、三大毒草と呼ばれるらしい。もちろんその一つはトリカブト、もう一つはドクウツギ。この白い花火に小さな昆虫がたくさん集まっている。その羽音がうるさいくらいに大きいので、初めは何か遠くの音が響いているのかと思ったが、よく聞くと虫の飛ぶ音だった。びっくりだ。

花に会う 1

photo:ドクゼリの群落・菅平高原
ドクゼリの群落

森の中はとても涼しかったが、湿原には太陽を遮るものがないので、暑い。急いで歩いて、今度は外周の道を回ってみた。ウバユリが今にも開きそうだ。ハンノキが大きい。そしてどこまでも続くオニシモツケの海、見事というしかない。

外周路を歩いていたら、小さな花を見つけた。オオマルバノホロシ、濃い紫の花はナスの花に似ているが、この花も最近少なくなっているらしい。ごく一部に数株咲いていた。いつまでも咲いていて欲しいものだ。

photo:オニシモツケの大群落・菅平高原
オニシモツケの大群落

photo:オオマルバノホロシの花・菅平高原
オオマルバノホロシ

photo:乾き始めた湿原の外周路・菅平高原
乾き始めた湿原の外周路

湿原を取り巻く外周路を歩いていると、森の外側は菅平高原のスキー場に囲まれている。今の季節は高原野菜の畑になっているが、湿原周りの森は昔訪ねた時より深くなっている。もちろん木も育っているだろうから、当たり前のことではあるが、乾燥化も進んでいるということになるのだろう。

うろ覚えの記憶よりずっと素敵な湿原の風景に、また来ようという気持ちが膨らんだ。


花に会う 2

小さな花々に別れを告げての帰り道、『焼きカレー』の文字に誘われてアメリカンスタイルのレストランに寄った。人気の店らしく客の姿もそれなりにあったが、店内は密にならない工夫がされていて、安心感があった。私たちはチーズたっぷりの焼きカレーに舌鼓を打ってから家に向かった。



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