54 英語は面白い〜ミッキー先生2〜


高等部1年のクラスに英語の授業をしてくれることになったミッキー先生は、まだ日本に慣れていないため、最初は彼女の友人の保護者が学校まで送迎してくれて、授業も見学していました。何人もの人の好意で始まった英語授業です。

事前の打ち合わせなどは私がすることになっていましたが、何を隠そう私は英語が苦手です。学校時代テストの点はまぁまぁ取れたのですが、聞くこと話すことは全く自信がありませんでした。

でも、必要は発明の母、何とか伝え合わないと大切な授業ができません。

今思うと無謀なことを始めたものです。私の「生徒の思いをかなえたい」という気持ちと、ミッキー先生の「大好きな日本で何かしたい」という『やる気』がシンクロしたのでしょう。


写真・ミッキーノート

言葉だけでは不安な私はミッキーノートを作りました。そう、苦手な英語も、書くことと読むことは何とかなるのです。そこに文字や絵を描いてやりとりしました。生徒にもそれを見せると、絵が描いてあるので、何をするかわかりやすくなったと思います。

最初の顔合わせでは自己紹介をしました。

「はじめまして」「私は○○です」「あなたに会えてうれしいです」というような、常套句。そして「こんにちは」「お元気ですか?」「はい元気です、あなたは?」というような、みんなも知っているような挨拶を交わしました。


絵・フルーツを切る

それから週に1回、生徒だけでなく、私もドキドキする英語の授業が続きました。ミッキー先生は物の名前を勉強するために、フルーツとくだものナイフを持ってきて、実際に動作をしながら「切る」「混ぜる」などの言葉を発音しました。また、実際に持って来ることができない物は、絵カードを用意して名前を発音するのでした。カードゲームのようにして、生徒たちの緊張を解きながら・・・。

私は、英語の授業の日は毎日朝からドキドキしていました。テスト前の生徒の気持ちがよくわかるような気がしました。


ミッキー先生は、初めの打ち合わせの時に「Word or conversation?」と訪ね、私は「Word! Please.」と答え、それから少し小さい声で「And a very short conversation.」と、付け足しました。ミッキー先生は「O.K.」とにっこりしました。なんだか、全て分かっているわよと、言われたような気がしました。

写真・ミッキー先生と生徒「これは何?」

ミッキー先生は、授業の始めに必ずみんなの名前を読んであいさつをします。そして、みんなが返すあいさつの言葉をまず自分が言って、それから繰り返して言ってご覧なさいと、促します。毎回同じことを繰り返すので、みんなも安心してだんだん大きな声で発音できるようになってきます。

そして、私がとても嬉しくなったのは、彼女が必ず教材を用意してくることでした。アメリカの子どもたちが使うのか、教師やS.T.が使う物なのかは分かりませんが、絵入りの物の名前カードや、やはり絵入りの動作を表すカードなど、鮮やかな色使いがいかにも外国の物という感じで、大きくて見やすい物でした。

英語が苦手だと言った生徒も、笑顔で授業に臨む日が増えてきました。





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