48 親が子に見せられること(お芝居作り)


子どもたちが通った小学校は、創立十年ほどの新しい学校でした。幼稚園時代を過ごした都市から引っ越しをしてきた息子にとっては、知った顔の全くない新生活のスタートでした。1年生の時は、右も左も分からず、親子とも付いていきましょうという感じで過ごしました。それでも息子はすぐ仲良しも出来て、楽しく通学していたように思います。

2年に進級、同じクラスで同じ先生、ようやく私も息子の同級生や保護者の顔がちょっぴり分かるようになりました。

PTAの保護者の活動が活発な学校だという印象でしたが、夏休み前の学年集会で保護者が何か発表すると聞き、驚きました。3クラスの保護者たちがそれぞれ出し物を考えるのだそうです。

あれこれ話していても話題は定まらず飛び回っている感じです。私は顔見知りもいない地域の新参者でしたが、息子が2年生に進級した時、クラスのPTA役員になっていましたので、話をまとめるような方向で話していました。そして、どうにか七夕の話を子どもたちに分かるようなお芝居にしてみようかと決まりました。

写真・絵コンテ

ある程度の方向が決まったので、私は「絵コンテ(大まかな流れやセリフ、動きを書いておくもの)を描いておくね」と言って、解散しました。

そして、次の集まりで配役を決めたり衣装や背景の作成手順を決めたりし、次は我が家で背景作りなどの作業をすることにしました。あまり面倒なことはやりたくないのだけれど、みんなが押し付け合っていても時間が過ぎるばかりです。そういう時は自分の出来る部分でさっさと始めてしまうという・・・私の一言で決まってしまいました。

当時住んでいた家は、縁側の外に水場があって、ちょっと広い屋根がついていたので、作業できると考えたのです。もしかすると「損な性格?」なのかもしれません。


作業日には、大きな背景用の紙を染めたり、セリフの練習をしたり、保護者たち、と言っても母親ばかりでしたが、みんなワイワイ賑やかにあっという間に時間が過ぎていきました。

担任の先生が、「うわさになってますよ。すごい舞台になりそうですね、楽しみにしてます」と、言うので「背景は立派ですから、楽しみにしてくださいね」と、笑いました。

そして当日、ナレーションの担当のお母さんは「盛り上げようと思って・・・」と、浴衣姿。お芝居の役者に選ばれたお母さんたちも、なかなか頼もしい演技です。何より、子どもたちが大喜び、大盛況のうちに幕となりました。


写真・手作り芝居「七夕」

そのとき背景を担当した人は絵画教室を主催している版画家で、今に続く私の大切な友人となりましたが、彼女が後に真剣な顔で話してくれました。

「話し合いで大きいことを言っていても、実際の行動は伴わなくてがっかりすることがたくさんあった。だから、あなたが絵コンテを描くなんて言っても、信用してないところがあった。そしたら、本当に出来上がっていて、次にやることも考えてあって、びっくりした」と話してくれました。


言ったことは実行するって当たり前のことと思うけど・・・、「損な性格」も素敵な友人を得て、実は得したのかも知れません?!





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