42 僕が主人公


その日は孫のレオ君のお誕生会でした。レオ君の妹の初節句もかねて、みんなでレオ君の家で昼食を食べようということになっていました。我が家で合流した娘親子を乗せて、車でレオ君の家に向かいました。

小さい子連れなので細々した荷物や、プレゼントを詰め込んで出発です。我が家からレオ君の家までは車で1時間ほどです。

20分くらい走ったところで、私は大変な忘れ物に気づきました。高価ではないけれど、絶対忘れてはならない、お誕生会のメインイベントの道具です。何日もかけて手作りしたのに、どうして忘れたのか・・・。それでも少し迷いました、今から戻って出直すと約束の時間に遅れてしまいます。

でも、やっぱり戻ることにしました。


待っている息子たちには連絡して、遅れて到着しました。

まだ1歳にならない、レオ君の妹の初節句のおひな様を見て、まずは昼食です。久しぶりに子どもたち、孫たちがそろったので、賑やかです。


食事がすんで、一息ついたところで、レオ君のお誕生会をすることにしました。2歳になったレオ君は幼児には珍しいポーカーフェイスです。めったなことでは泣きません。また、自分の興味のあることには真面目な顔をして淡々と取り組みます。真面目な顔をして「おっ」とか「おっきい」とか言いながら、長い時間道路の石で遊んでいることもあります。もちろん笑いますが、大人が笑わそうとしてもあまり簡単にキャッキャッと笑ったりしません。くすぐったりするのは別です。くすぐりには弱くて、くすぐる真似をして手をこちょこちょと動かすだけで大笑いして逃げようとします。


そんなレオ君の2歳のお誕生会、大人は準備を始めます。部屋にロープを張って、そこに直径30㎝ちょっとの鈴をぶら下げます。運動会などで鈴割りの競技をおこないますが、あの鈴と同じしくみです。でも、玉をぶつけて割るのではなく、閉じ合わせてリボンで結んであるだけです。孫の力で引っぱって解けるように結んであります。鈴にはレオ君の好きなアニメなどの絵を貼ってあります。鈴の中にはもちろん『お誕生日おめでとう』の垂れ幕も隠れていますが、お菓子や玩具などの小物もぶら下がるようになっています。

写真・鈴の中から何が出てくるかも楽しみ

お誕生会に鈴割りをするのはこのときまで3回ありました。レオ君の1歳のお祝い。それからレオ君のイトコにあたる孫の1歳2歳のお祝い。イトコはレオ君より半年あまり早く生まれたので、半年ちょっと前に2歳のお祝いをしたのでした。


部屋にロープを張り、鈴をぶら下げていると、レオ君がチョコチョコと隣の部屋に走って行きました。どうしたのかなと思っていると、レオ君はよいしょ、よいしょと、自分用の踏み台を持ってきたのです。覚えていたのですね。今日は僕が主役と、こぼれんばかりの笑顔、全身が嬉しそうです。そして、踏み台を置くとその上に乗って、リボンの先についている取っ手を握りました。


『いい?引っぱるよ』と目で聞いています。私たちはみんなでハッピーバスディを歌い、レオ君はその真ん中で、腕を高く伸ばして自信満々エイッとリボンを引きました。





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