39 離山 1256m(長野県)
   2017年11月1日(水曜日)


地図・離山周辺

かつては信越線の難関碓氷峠を越えると、今では北陸新幹線のトンネルを抜け軽井沢に入ると、町の中にお椀を伏せたような山がぽっかりと浮かんでいるのを見ることが出来る。多くの人は雄大な浅間山が見えてくるのを楽しみに窓外に目を凝らしているから、その手前のこんもりとした小さな山には気がつかないかもしれない。何を隠そう、そう言う私も日頃は浅間山が見えるかどうか・・・と、視線は遠くに行っている方が多い。

写真・軽井沢駅
軽井沢駅

それでも、ずっと以前に鼻曲山に登った時から、軽井沢の別荘地にポコンと立っている離山にいつかは登ってみたいと思っていた。


せっかく駅の近くの山だからと、贅沢に新幹線で行く。上信越自動車道が長野自動車道に繋がるまでは、軽井沢を越えて長野に向かったこともある。車では何回も通ったことのある軽井沢だが、電車で軽井沢駅に降りるのは2度目。立派な駅舎に降り立って、目の前に明るく色づいた盛り上がりを見せる離山に向かう。駅の前には大きなレンタサイクル店があり、観光客らしい人たちが立ち寄っている。近づくと、話している言葉は日本語ではない。駅でも気がついたが、日本語が聞こえてこない。中国語だろうか、目に入る風景は日本なのに、目を閉じると外国にいるみたい、不思議な気分。


写真・六本辻のラウンドアバウト交差点
ラウンドアバウト

水曜日はお休みの店が多いらしいが、山が目当ての私たちにはあまり関係ない。旧軽井沢の大通りを歩いて行くと、レンタサイクルに乗っている人たちが多い。みんなどこへ行くのだろうと話しながら5叉路を雲場池の方に向かって進む。六本辻の交差点に近づいた時、夫が「あ、サークル交差点だ」と嬉しそうに言う。ヨーロッパにはたくさんあったが、日本ではまだ少ない、信号のない円形の交差点、ラウンドアバウトと言うそうだ。

この辺りから、なんだか急に人が多くなって来た。歩くにつれて、人混みと言っていいほどになる。右に紅葉の森が見える、そしてキラキラと水面らしい輝きも。けれど、それ以上に人の頭が揺れ動いている。

ここは雲場池、どうやら紅葉の名所らしい。ちょっぴり踏み込んで水に映る紅葉を見て、早々に退散した。すれ違うのに人とぶつかるような所は都会だけで沢山。

写真・カケス
カケス


雲場池からは、しばらく静かな別荘地の中の道を歩く。サイクリング用の看板を見ながら道を右に折れ、離山別荘地の中に入っていく。広い敷地の別荘の森にはカケスが何羽も飛び交っている。別荘の道はもうずいぶん登り坂だ。ゆっくり登っていると、自転車に乗った男性が「こんにちは〜」と追い越していく。自転車で登るのは苦しそうだ。

写真・登山口記帳所
登山口で記帳

ようやく、登山口に着く。りっぱな登山者記帳場があったので、ノートに名前と時間を書いて歩き始める。さっきの自転車おじさんが自転車を止めて身支度を整えながら、身振りで『登るの?』と聞くので、「はい」と言うと、「良かった、一人だと熊が恐いからね」と笑う。「ゆっくり歩いているので、遠慮なく追い越してください」と話して一足先に登り始める。

道は整備されていて、登山道というよりは公園。離山園地と言うからいいのか。立派な案内の看板も立っている。

写真・立派な看板
立派な看板

園地とは言っても紅葉も終わろうという季節、さすがに人は少ない。後ろからは自転車おじさんが来ているはずだが、すれ違ったのは一家族のみ。右前方には枝越しに緩やかな稜線が見えている。鼻曲山から留夫山を越えて旧碓氷峠への稜線だ。雪の中、道を間違えてドキドキしながら歩いたことを思い出す。

写真・コブシの実
コブシの実

小さな栗、ドングリが沢山落ちている。ホウノキの葉が散り敷いている所は道が白く見える。何回か曲がりながら登っていくと、南登山道からの道と出会う。ここからはようやく山道らしくなるが、一息で山頂だ。ここまでの道々、ムラサキシキブの実が濃い色で枝を飾っていたが、このあたりにはコブシの実が沢山落ちていた。花の季節もいいだろうなぁ。

写真・三角点と展望台
三角点と展望台


小さな階段を登ると山頂の展望台が見え、手前に三角点。狭い展望台には数人の人が憩っているようで、賑やかな話し声がする。こんにちはと声をかけながら登り着くと、一気に視界が開けた。目の前に大きな浅間山、遠くに北アルプス、少しずつ左に目を向けていくと八ヶ岳から秩父の山々が青空の下に広がっている。

写真・槍ヶ岳、穂高連峰
穂高連峰と槍ヶ岳

目の前の浅間山がとにかく素晴らしい。カラマツの黄葉が裾野を彩り、青空に映える。いつもはすぐ写真を撮るのだが、カメラを構えるのも忘れて見ていた。先に登頂していた三人の女性グループが賑やかに話している。三人一緒にカメラに納まるために、夫がシャッターを押してあげる。山に登りたくて御代田町や群馬の谷川岳の麓に引っ越したのだと話している。一人は東京から来たそうで、いつも三人で集まっては山歩きをしているのだとか・・・。私たちが今日はたまたまここに来たと話すと、「それは正解。私たちに会えたから・・・」と、大笑い。明るくて楽しいグループだ。

写真・山頂から見る浅間山
離山山頂から見る浅間山

私たちのあとから登頂した自転車のおじさんも話に加わり、双眼鏡で遠くの山を眺めては楽しそうに山名を言っている。そして展望台に備えられた大きな望遠鏡をのぞき、「小浅間に登山者が見えますよ」と叫ぶ。備え付けの望遠鏡はお金を入れなければ見えないかと思っていたが、おじさんは笑いながら入れなくていいんですよと言う。彼は離山のすぐ麓に住んでいるそうで、「あそこに家が見えます!」と指差す。一方で「この辺りで後ろ立山が見える良い所はどこでしょうか?」などと聞いているから、山近くへの引っ越し組かもしれない。

写真・山頂にて
離山山頂にて

賑やかに話してゆっくりしたあと、三人のグループが去り、私たちも山頂をあとにし、後ろから自転車のおじさんも下りて来た。


写真・雲場池
雲場池

帰りは雲場池のあたりの人が少し減っていたので、水面に映る紅葉を眺めてから駅に向かう。ウエディングのカップルが2組写真撮影していた。そういう有名な場所だったんだ〜とは二人の感想!


駅では夫が密かに楽しみにしていたらしい、旧軽井沢駅舎記念館に立ち寄り、碓氷峠の力餅をお土産に買って、再び新幹線の客となった。旧軽井沢駅舎記念館は信越本線時代の駅舎を復興した建物で、しなの鉄道の軽井沢駅としてよみがえっている。

写真・お土産
今日のお土産

写真・軽井沢駅旧駅舎
旧軽井沢駅舎


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