26 雁田山(かりだやま) 787m(長野県)      2017年5月3日(水曜日)

地図・雁田山


長野の北西にある小布施町は、おいしい栗と葛飾北斎で有名な観光地、私たちも何度か訪れているが、北斎の天井絵で有名な岩松院までは足を伸ばしたことがなかった。

昨年秋に長野を訪ねてくれた友人夫婦と、岩松院に行ってみた。天井一面の、鳳凰の踊るような迫力と色彩の豊かさに圧倒されて外に出てきた私は、寺の脇に『〇〇登山口』という看板を見て、ここから山に登れるんだなぁと思ったのだが、その時は北斎に圧倒されていたので、山の名前をしっかり見てこなかった。

その後、ふとあの山は何という山だったのだろうと調べたら、『雁田山(かりだやま)』で、雪解け頃に足慣らしに登る人も多いという紹介があった。

岩松院から登って縦走し、また戻ってこられるという。時間も登り1時間半というから、私たちにもちょうどいい。車でも行けるけれど、小布施なら長野電鉄で行くのものんびりしていいんじゃないかと、晴れた空の下、出発した。


写真・リンゴの花
リンゴの花(右はつぼみ)

善光寺下駅から各駅停車に乗って、小布施を通り過ぎる。一つ先の都住駅で降り、駅からリンゴ畑の中をのんびり歩き始める。夫が調べていたので、道は大丈夫。小布施駅から歩くより近い。咲き始めたリンゴの花の中を10分ほども歩くと、見たことがある岩松院への道に出た。濃い赤の八重桜が覆いかぶさるように咲き競う大木の間を通って、登山道に取りつく。クサノオウが明るい黄色で彩り、シャガがツヤツヤした葉の間に白い花を散らし、道は賑やかだ。ヤマブキも斜面を黄色に染めている。

のんきにしばらくのぼると、『小城』に到着。見晴らしのよい平らな頂上に、説明板が立っていた。少しかすんでいるけれど、北アルプスが見える。鹿島槍ケ岳、五竜岳は目の前。まだ真っ白に雪を抱いている。そして、遠くに槍ケ岳、穂高連峰までも見える。

写真・大きな岩
大きな岩の間を登る

ずっと見ていても飽きないが、先を急ごう。大きな岩がゴロゴロしている間から木が生えている。その大きな岩の間を登っていくと、今度は『大城』。ここにも看板がある。『小城(物見城)と一体で苅田城と呼ばれる。〜中略〜 築城年代、位置、名称等解明されていない部分も多く、伝説に満ちた謎の城 〜後略〜』とあり、周囲には空堀などもあるようだ。大和朝廷の東征時(3〜4世紀)に作られた柵(き)というもの・・・などという古い時代からの人間の痕跡らしい。

それにしてもどうして『苅田城』が『雁田山』なのだろう。先日登った『旭山』には『朝日城』があったというが、どちらもなぜ変わったかはわからない。漢字は便利なようでややこしいね。

この城跡にはたくさんのフデリンドウがきれいな青色を散らしている。

写真・フデリンドウ
フデリンドウ


ここからは急な登りになる。よく整備されて、ロープが張ってあるので安心だが、「雨の日は歩きたくないね」と話しながら汗をかく。ヤマツツジがオレンジ色に花開いて、その枝の向こうに遠くの山桜が白くかすんでいる様は、まさしく春の山。時々小さなへこみが横切り、これが空堀かなと話しながら越えて行く。

岩ゴロ道をぐいぐい上ると、ツツジ台に出る。そしてあとは一気に山頂の千憎坊783mまで。山頂は林の中で展望はあまりよくない。まっすぐ伸びた太い木はヒノキだろうか、少し暗い感じだ。ちょっと道が広くなったという雰囲気の山頂に、若い女性3人が座って休憩していた。私たちが交替で写真を撮っていたら、一人が「撮りましょうか」とシャッターを押してくれた。そして彼女たちは、私たちが登ってきた道を下っていった。

写真・千憎坊にて
山頂「千憎坊」783m

私たちも腰を下ろし、少し休憩をすることにした。持ってきた地図を広げると、千憎坊からもう一つ奥のピークが最高地点になるらしい。ここで休んでいると言う夫にリュックを託し、空身で行ってみることにした。道は緩やかな稜線で、すぐ次のピーク787mに着いた。滝ノ入城跡の標識が立っている。三角点に触って戻る。こちらもあまり展望はよくない。10分ほどで往復してしまったので、夫がびっくりする。

写真・最高地点
最高点(屠屋場山)「滝ノ入城跡」 787m

「すぐだったよ。平らな道だったしね。これなら一緒に行けたね」と言うと、まぁいいさと笑う。

ここからはいくつかのピークを越えて縦走路が続く。大きな岩の間を縫うような道が続くが、高低差はそれほど大きくないので、楽しみながら歩ける。道の両側の木々が茂っているので、展望はあまりよくないのが残念だ。それでも、所々開けているので、目の下に小布施の町を、遠くに善光寺平、そしてその上にそびえる山々を楽しめる。春霞のせいか、鮮明さには少し欠けるが、北信五岳が目の前に並んでいる。その左奥には北アルプス。

写真・北信五岳
北信五岳 左から:飯縄山、戸隠高妻山、黒姫山、妙高山、斑尾山

所々に開ける展望を楽しみながらの山歩きに、気分は上々。夫は展望が開けるたびに、山と電車の撮影に挑戦。「新幹線が通るといいんだけれど・・・」と言いながら、カメラを構えてしばらく待つが、なかなか通らない。でも長野電鉄は何度か通り、豆粒のような電車入りの写真撮影に成功?した。

写真・妙高山と長野電鉄
妙高山と長野電鉄(右縮小写真赤丸)


姥石、東屋展望台、物見岩といくつかのピークを越えて最後の反射板跡地759mで三角点にタッチしたあとは下り。

写真・岩の間を登る
岩の間を登る

途中カタクリが一面に葉を開いている。花はほぼ終わりで、実になっている方が多かった。一面に咲いていれば、なかなかの見ごたえだろうと思う。今は、ヤマツツジの赤が道を教えてくれているのがお楽しみ。

写真・ヤマツツジ、カタクリ(花と実)
ヤマツツジ     カタクリ(花と実)

そこからは急坂が続く。辷り山という名だけあって、ズルズル滑りそうな道。一歩一歩気をつけて下ると、一面のヤマブキに彩られた車道に出る。

都住駅まで歩くつもりだったが、岩松院との中間にある浄光寺に着いたところにシャトルバスがやってきたので、これ幸と乗ってしまった。バスで小布施駅まで行って、再び電車の客になった。



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