169 久しぶりのタツネ 地附山 733m(長野県)

2021年3月11日(木)15日(月)


3月になって、三寒四温という言葉がぴったりの冬と春が行ったり来たりの日々が続く。青空が綺麗だと思うと北風が強くて体が縮む。雲が多いなぁと思ってもぬくぬくと暖かい。お天気ははっきりしないけれど、地附山の花はほころんだだろうかと訪ねてみた。11日は午後に用があったので、午前中に急ぎ足で行ってきた。そして15日、午後になって気温が上がってきたので、先日の分までゆっくりと久しぶりのタツネ周辺を回ってきた。

photo タツネ入り口
タツネ入り口

photo タツネ坂上の堰堤
タツネ坂上の堰堤

タツネとは急坂という意味なのだそう。ここは昔、駒形駒弓神社の氏子が登った参道だそうで、由緒ある山道。草むしてくると歩きにくくなるが、普段から手入れされているようで、まだ冬枯れの面影を残している今は歩きやすい。

長野に引っ越してきてしばらくは、いつもこの道を通って地附山に登っていた。

photo ササが多いが手入れされている
ササが多いが手入れされている

名前の通り急坂を登ると一回車道に出るが、横切って再び山道に入る。大きな堰堤が築かれていて、はしごのような階段で登り、また降りる。この辺りはいつきても小鳥が多いが、木の枝も広がっているので、素人カメラマンには鳥の姿を写すのは難しい。ウグイスが練習しているような鳴き声も聞こえる。シジュウカラ、エナガ、ヒヨドリは自分の目ですぐわかるから嬉しい。ウグイスも鳴いている姿を見つければ、その鳴き声でわかる。

photo クヌギやクルミの実
クヌギやクルミの実

さらに登っていくと、ササの斜面になる。こう書くと登ってきたようだが、実は今回はぐるりと回ってタツネに向かって降りてきた。人里の中を縫うように続く道は、昔からの大木も多い。クルミや、ドングリの実がたくさん落ちている。きっと動物たちにとっても嬉しい道なのではないだろうか。

photo ナニワズ
ナニワズ

枯れた森の中にアオキの実が光っている。蕾も膨らんできている。小さなナニワズの木もある、こちらは黄色い花をいっぱいつけて満開だ。そして見上げれば広がった枝にも明るい黄色がたくさんついている。サンシュユの花がポツリポツリと広がり始めている。一つの花芽から何十個もの小さな花が咲くらしいが、今はまだ1個2個開き始めたところだ。

近くにはダンコウバイの花も咲き出して、これから空の青と頭上の黄色が鮮やかなコントラストを描く季節になるだろう。

photo サンシュユが咲き始めていた
サンシュユが咲き始めていた

photo ダンコウバイ
ダンコウバイ


さて、3月も半ばの地附山はもう花がほころび始めているのではないかと思っていたのだが、風が冷たかったせいか、今年は何度も雪が降ったからか、まだ蕾は固かった。

photo ふくらみ始めた蕾,フキ,ショウジョウバカマ,シュンラン,ベニバナイチヤクソウ
ふくらみ始めた蕾

photo 春の味、蕗味噌
春の味、蕗味噌

それでも、シュンランは縞模様の薄いヴェールを今にも脱ぎ捨ててしまいそうだし、ベニバナイチヤクソウは艶やかな葉の真ん中で花の数を数えられそうに膨らんできた。ショウジョウバカマの蕾はまだ固いけれど、冬の間、ぺったり地面にくっついていた葉が気持ちよさそうに立ち上がってきている。花の季節はすぐそこまできている。先日我が家の蕗のとうで蕗味噌を作ったが、山のフキも落ち葉の下から頭を出し始めている。

photo 天然のドライフルーツ(紅葉苺)
天然のドライフルーツ(紅葉苺)

花芽を探して古墳の間を歩いていたら、木苺が天然のドライフルーツになっているのを発見。可愛らしい姿だったが、食べてみるのはやめて、また初夏に今年の恵みをいただきに来よう。

photo アオゲラ,シジュウカラ,エナガ,トビ
鳥たち 地附山にて

珍しいといえば、久しぶりにアオゲラを見た。アカゲラもアオゲラもコココココーンとドラミングの音を響かせているのを聞くけれど、なかなか姿を見ることができない。それでもアカゲラとコゲラは時々見かけるけれど、アオゲラに会うのはずいぶん久しぶりな気がする。静かに木を登っていく姿を見つけたのは偶然。嘴で幹の隙間を突いているようだが、大きな音を出して穴を開けてはいない。急いでカメラを出したけれど、手前の小枝が茂っているので、うまく撮れなかった。でも、会えたから自分の目でしっかり見ておこう。モスグリーンの背中と赤い頭がおしゃれだ。

photo 地附山の山頂でポーズ
地附山の山頂でポーズ

それからトビが木にとまっている姿をしっかり見ることができたのも嬉しいことだ。大空を気流に乗って優雅に舞うトビの姿は結構見るけれど、木にとまっている姿を見ることは少ない気がする。ピーヒョロロと、綺麗な声で鳴きながら飛ぶトビは実は油断大敵、お弁当を食べようとしていてトビに取られたという話はよくある。

photo 木の窓の向こうに黒姫山、妙高山
木の窓の向こうに黒姫山、妙高山

落葉樹の葉が茂ってくれば、ますます鳥の姿は見えにくくなる。今のうちにいっぱい見つけておこう。


風の強い日が続いたせいか、山の姿が美しい。山頂から見える飯縄山も黒姫山も妙高山もクリアだ。雪がずいぶん少なくなって青い山肌が広がってきている。遠景を楽しみながら稜線を歩いてみた。モウセンゴケの群生地には芽吹きがあるだろうか。

photo 表面が凍って凍み渡りができる
表面が凍って凍み渡りができる

photo モウセンゴケ群生地の雪(猪足跡)
モウセンゴケ群生地の雪(猪足跡)

ところが、びっくり。一面の雪ではないか。しかも土が出ているところは凍っている。雪面も凍っているから雪の上を自由に歩ける。『凍みわたり』だ。いつのものか、イノシシの足跡もしっかり凍っている。

一方で花が緩やかに芽吹き、一方で凍り付いている、これが地附山の3月なんだね。



  • 前の画面


  • サブメニューのイメージ画像 Gallery3 山歩き・花の旅

  • サブメニューのイメージ画像 Gold-ArtBox Home