1 角田山(新潟県)481.7m
       2016年3月27日(日曜日)

地図・角田山


定年退職して長野県に転居、毎日が休日なのになぜ日曜日に出かけることになったかというと、ずっと天候が安定しなかったという理由。何年か前、まだ神奈川に住んでいた頃、他の予定と繰り合わせて三条に宿を取った。登る気満々だったのに、朝起きてみれば土砂降り。泣く泣く諦めた。

日を選べる今だからこそ晴れマークの日に行こうと思っていたら、その日が日曜になってしまったという訳。


小布施のスマートICから高速に乗る。山間を走ると妙高山が目の前にそびえ、雲一つない青空を満喫しながらの旅。

日本海沿いの北陸道は日曜とは思えないほど空いている。濃い群青の海の向こうに佐渡島が横たわり、まだ白い山が見えている。広々した越後平野を走り、巻潟東ICで降りる。


角田山は花好きの人にはかなり有名になった春の花の山、標高は低いが、四方から登山道が整備されていると聞いている。私たちは日曜の混雑を予想して駐車場が広そうで、しかも日本海を見ながら登れるところという理由で、浦浜コースを選んだ。


海沿いの道から少し入ると「浦浜登山コース入り口」のバス停があり、その奥に駐車場があった。それなりに広いが、やはりかなりいっぱいだ。ほとんどが新潟ナンバーの車。私たちは空いているスペースに車を入れ、登山靴に履き替える。この駐車場にはトイレもある。


準備万端、真っ赤な椿が咲いている登山口から歩き始める。少し登ると、沢を横切る。辺り一面ヤマネコノメソウが咲いている。小さい黄色の花がかわいい。

写真・ヤマネコノメソウ
ヤマネコノメソウ

標高が低いとは言え、海岸線からの登りはかなり急。道は丁寧に整備され、階段になっている。少し登ると、海岸線が見おろせる。向こうには佐渡島が木の間越しに見えている。


2週間ちょっと前に右膝の靭帯を痛めて、リハビリのつもりの登山にしてはかなり頑張りが必要だ。ふう〜と息をつく頃、周囲にカタクリが見えてきた。ピンクの花の影には薄青色のエンゴサクも見える。とても小さくてかわいい花だ。葉が細くてこれはホソバエンゴサクだろう。

私たちは林の中に散在するカタクリの花が嬉しくてカメラを向けていたが、上から降りてきた髪の白い老人が、もう少し上に行くと斜面一面の花が続きますよと教えてくれた。

そこで、再び登り始めた。すると確かに道の両脇どころか、踏まれても知らないよと言いたくなるような道の真ん中、階段の途中、木の根方などにも、もう一面ピンクのカタクリの大群落。しかも登っても、登っても斜面はカタクリで覆われている。大感激。

写真・カタクリの大群落
カタクリの大群落

所々ナニワズの黄色い花や、ヒメアオキの濃い紫の花と赤い楕円の実、ヤブコウジのまん丸い実も見える。そして純白のキクザキイチリンソウ、まだ下向きにうつむいているアズマイチゲ、春の花の響宴だ。

登って行く間ずっとカタクリの大群落に囲まれて幸せいっぱいだが、今日見たかったオオミスミソウはなかなか現れない。と話していたら、ようやく白い花びらが輝くように固まって一株あった。そのうちにあっちにもこっちにも目がいく。

オオミスミソウは様々な色の花が咲くというので、それが楽しみだったが、何故か白色ばかり。そしてようやく青い色を一株発見して歓声を上げる。左手奥の斜面には群がるように咲いていて、足の痛みを忘れさせてくれる。この花に出会えば、今回の山歩きの目的は半分達成。

写真・オオミスミソウ
オオミスミソウ

もう一つの目的は、コシノカンアオイに会うこと。首を上に向ければダンコウバイの黄色い花もかわいいのに、私は下ばかり見て歩いている。五ケ峠コース、灯台コースと出会う稜線に着くと、花の姿はグンと減った。登山道はぬかるんでぐちゃぐちゃ。長靴で登っている人の姿をたくさん見たが、なるほどと思わせられる。ぬかるみに足を取られないように気をつけて歩いていたら、大きな丸い葉が落ち葉に半分かくれている。

写真・コシノカンアオイ
コシノカンアオイ

あっ。周りの落ち葉に目をこらすと、あった。濃い茶色のめだたない花、コシノカンアオイ。これまでに見た何種類かのカンアオイより大きい。堂々としている。花は横向きにねているので、そっと花先を指であげ、中も見せてもらった。白いおしべが外見によらずかわいい。

カンアオイは地域毎に変化して種族が多いが、日本海側の雪の多いこの地域に育つコシノカンアオイはこの属の中では最も大きく立派な花をつける。新潟県生まれでありながら、この花を見たことが無かったので、ずっと会いたいと思っていたのだ。

写真・キクバオウレンの大群落
キクバオウレン


満足してあとは山頂を踏むのみ。木立の影にはキクバオウレンが群生して小さな花火のように光っている。疲れた体でこの風景を見た昔の人は、まさしく森の妖精たちだと思ったのではないだろうか。


山頂は広く、日曜の憩いをもとめてきた人たちで賑わっている。天気がよいのでシートを敷いて昼寝を決め込んでいる人たちもたくさんいる。山の上とは思えないのどかさだ。


私たちは夕方までに我が家に帰らなければならないので、大きな山頂の印に触れて、来た道を戻った。

写真・白いカタクリ
白いカタクリ

帰り道に真っ白いカタクリを発見し、その喜びとともに帰路についた。



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